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第1部 建設工事請負契約約款の意義と効力
1 約款と請負契約 10
⑴ 普通契約約款とは 10
⑵ 請負契約とは 11
⑶ 請負契約約款の特性 16
2 約款の種類と利用の現状 18
⑴ 請負契約約款の種類 18
⑵ 公共工事標準請負契約約款の概要と利用の現状 19
⑶ 民間建設工事標準請負契約約款(甲)(乙)の概要と利用の現状
23
⑷ 民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款の概要と利用の現状
28
⑸ 建設工事標準下請契約約款の概要と利用の現状 29
3 約款成立の背景と経過 35
⑴ 約款作成の発端 35
⑵ 中央建設業審議会による約款の作成 37
⑶ 民間(旧四会)連合による約款の作成 37
⑷ 約款の改正 38
4 約款の拘束力、制定法との関係 42
⑴ 約款一般の効力の論拠 42
⑵ 建設工事請負契約約款の効力の問題点 45
⑶ 制定法との優劣、具体的条項・事例 51
⑷ 消費者契約法上の問題点 53
5 建設業コンプライアンスと約款 56
⑴ 建設業とコンプライアンス 56
⑵ 建設業のコンプライアンスと約款 60
⑶ 約款の整備・活かし方とコンプライアンス体制 61
⑷ 本書の例題の意義とその活かし方 65
第2部 建設工事における紛争・トラブル事例と約款
1 追加・変更工事をめぐるトラブル
1 はじめに 70
2 建設工事請負契約と書面化の要請 70
3 追加・変更工事の実態 70
4 よくあるトラブルのパターン 71
Case 1 発注者が建設工事中に変更工事を求めた場合、発注者は請負代金を追加して支払う必要がありますか? 72
Case 2 当初予定されていた施工条件では工事を続行することができないことが工事着手後に判明した場合、請負人が変更工事を実施し、その分の請負代金を追加請求できますか? 78
Case 3 監理者には発注者に代わり設計の変更工事契約を締結する代理権がありますか? 83
Case 4 設計図書の不備に起因して変更工事が行われた場合でも、追加の請負代金を支払わなければなりませんか? 87
2 請負代金をめぐるトラブル
1 報酬支払義務 94
2 請負代金にかかる書面化(建設業法19条1項) 94
3 請負代金についてよくあるトラブル 95
Case 5 資材の値上がりを理由に請負代金の増額を求められた場合、発注者は請負人からの増額請求に応じる義務がありますか? 96
Case 6 請負代金内訳書に明確な誤記がある場合に、請負代金の変更を求めることができますか? 101
Case 7 請負代金を概算方式で定めたのですが、代金額を定めるための協議を拒否された場合、請負代金の増額を求めることができますか? 105
Case 8 工事・引渡しの遅延があった場合に、これに起因して生じた損害の賠償を請求できますか? 110
Case 9 建物未完成のまま請負代金を請求された場合に、代金支払を拒めますか? 114
Case
10 建設工事中に地震が発生し建設中の建物が倒壊した場合、請負人は発注者に対し、再築工事によって増加した費用を請求できますか? 119
3 瑕疵をめぐるトラブル
1 はじめに 126
2 瑕疵担保責任の効果 127
3 瑕疵担保責任に基づく解除の可否 127
4 瑕疵担保責任の期間 128
5 よくあるトラブルのパターン 129
Case
11 工事の施工が図面または仕様書のとおりに実施されていなかった場合、発注者は瑕疵担保責任を主張することができますか? 130
Case
12 瑕疵担保責任の期間は、あらかじめどのように定めておくべきですか? 136
Case
13 建築設備の機器・室内装飾・家具等の瑕疵に関しても瑕疵担保責任を追及することはできますか? 141
Case
14 発注者の指示または材料を原因とする瑕疵についても、瑕疵担保責任に基づく修補を請求することはできますか? 144
Case
15 発注者が瑕疵を発見した際に直ちに通知をしなかった場合、発注者は請負人に瑕疵担保責任を追及できなくなりますか? 149
4 工事の中止・契約の解除をめぐるトラブル
1 はじめに 154
2 工事の中止 154
3 契約の解除 154
4 よくあるトラブルのパターン 157
Case
16 請負人が設計図書の内容と異なり、建築基準法に違反する工事を行った場合、発注者は請負契約を解除できますか?
また、請負契約を解除した場合、違反建築物を撤去するのに要した費用につき、損害賠償してもらえるでしょうか? 158
Case
17 発注者の都合による解除は認められるのでしょうか?
164
Case
18 発注者が請負代金支払能力を喪失した場合、請負人は、工事を中止したり、請負契約を解除したりすることができるでしょうか? 168
5 倒産をめぐるトラブル
1 はじめに 174
2 破産の場合 174
3 民事再生の場合 175
4 よくあるトラブルのパターン 176
Case
19 請負人が破産した場合、発注者は請負契約を解除できるでしょうか? 177
Case
20 発注者が民事再生を申し立てることになった場合、請負人は工事の中止・契約の解除をすることはできますか? 181
6 近隣トラブル
1 はじめに 188
2 民法上の責任 188
3 約款の規定 189
4 よくあるトラブルのパターン 189
Case
21 建物が、周囲の住民の日照権を侵害していると主張された場合、発注者は損害賠償金を負担する必要がありますか? 190
Case
22 工事の音がうるさいという近隣住民からの苦情に対して、請負人は、損害賠償をしなければならないのでしょうか? 195
Case
23 建物が周囲の住民の眺望を侵害しているとの近隣住民の苦情に対し、発注者としてはどのように対応するべきでしょうか? 201
Case
24 建設工事にあたり隣地を使用する必要がありますが、隣地所有者が使用を承諾してくれない場合、何か良い方法はありませんか? 206
7 下請負をめぐるトラブル
1 下請負とは 212
2 建設業法上の規制と建設業法令遵守ガイドライン 212
3 下請負においてよくあるトラブル 214
Case
25 元請業者が一括して下請負をすることは認められますか?
また、元請負人が下請代金を支払わない場合、発注者は下請負人に対し下請代金を支払わなければなりませんか? 215
Case
26 元請業者が下請業者にやり直し工事を指示してきた場合、下請業者は、やり直し工事が終わらない限り、下請代金を支払ってもらえませんか? 220
Case
27 1,000万円の予定価格工事につき、元請負業者から具体的な工事内容の明示がないまま3日以内に下請工事の見積りの提示を求められた場合、下請業者はそれに応じなければなりませんか?
また、注文書と請書の交換のみで下請工事を受注する場合、下請代金の支払時期等も注文書や請書に明記する必要がありますか? 226
Case
28 下請負人の民事再生手続が開始されたため、元請会社が孫請負人に孫請代金を立替払いした場合、元請会社は、立替払いをした金額について、下請負人からの報酬請求を拒めますか? 231
8 紛争解決手段
1 建築紛争の特色 238
2 民事訴訟 238
3 民事調停 238
4 建設工事紛争審査会による紛争解決 239
5 品確法に基づく指定住宅紛争処理機関 240
6 民間(旧四会)約款の規定 240
Case
29 仲裁合意をしたら、訴訟は提起できないのでしょうか? 241
資 料
●公共工事標準請負契約約款 246
●民間工事標準請負契約約款(甲) 277
●民間工事標準請負契約約款(乙) 296
●建設工事標準下請契約約款 310