第1部
懲戒処分の基礎
第1章 懲戒処分の意義・根拠・限界 3
Ⅰ 懲戒処分の意義と根拠 4
Ⅱ 懲戒処分の種類 6
1 訓戒・戒告・譴責 /7
2 減 給 /8
3 出勤停止 /10
4 降職・降格 /12
5 諭旨解雇 /14
6 懲戒解雇 /16
Ⅲ 懲戒処分に関する諸原則と懲戒権濫用法理 17
1 懲戒処分に関する諸原則 /17
2 懲戒権濫用法理 /24
Ⅳ 懲戒処分の手続き 26
1 対象者の弁明の機会の付与の要否 /26
2 始末書不提出者に対する処分の可否 /28
3 従業員の調査協力義務の有無 /30
4 労働組合との協議の必要性の有無 /31
5 賞罰委員会設置の要否 /32
6 行政官庁への報告,申請の要否 /33
Ⅴ 懲戒処分を行う際の一般的留意点 34
1 関係法令による規制 /34
2 就業規則,労働協約における規制 /39
3 職場外の非違行為と懲戒処分の可否 /39
4 懲戒対象行為の認識と懲戒処分の可否 /41
5 懲戒処分実施の時期 /42
6 労働組合員に対する懲戒処分をする際の留意事項 /43
7 出向者に対する懲戒処分 /47
8 派遣社員に対する懲戒処分 /49
9 懲戒処分の公表の問題 /50
第2章 懲戒解雇に関する諸問題 55
Ⅰ 懲戒解雇と解雇制限 56
Ⅱ 懲戒解雇と解雇の予告 58
Ⅲ 懲戒解雇と普通解雇 60
1 懲戒解雇事由による普通解雇 /60
2 懲戒解雇の普通解雇への転換の可否 /62
3 予備的解雇 /65
Ⅳ 懲戒解雇と退職金 67
Ⅴ 無効な懲戒解雇と損害賠償 69
第3章 懲戒処分を争う法的手続 73
Ⅰ 民事訴訟 74
1 概 観 /74
2 懲戒処分の効力を争う訴訟における確認の利益 /75
3 謝罪,名誉回復を求める方法 /77
Ⅱ 労働審判 79
Ⅲ 労働委員会における不当労働行為の審査手続 82
Ⅳ 都道府県労働局長による個別労使紛争の解決手続 84
1 都道府県労働局長による助言,指導手続 /84
2 紛争調整委員会によるあっせん手続 /85
第4章 労働者の非違行為をめぐるその他の問題 87
Ⅰ 懲戒処分調査のための自宅待機命令の可否 88
Ⅱ 逮捕,勾留中の者からの年休申請への対応 90
Ⅲ 起訴休職制度と懲戒解雇 93
Ⅳ 使用者の懲戒処分対象者に対する損害賠償請求 95
Ⅴ 懲戒処分予定者に対し退職勧奨をする際の留意点 97
Ⅵ 懲戒処分者を早期優遇退職の応募可能者から排除することの
可否 100
Ⅶ 非違行為の被害者たる従業員との紛争 102
Ⅷ 労働組合からの損害賠償請求 104
Ⅸ 派遣労働者の非違行為と派遣会社との関係 105
第2部
ステージごとにみる懲戒処分のポイント
第1ステージ 就業規則の作成 111
Ⅰ 誰を対象とする規則を作るか 112
1 パート・嘱託等の規則における定めはどのようにすべきか /112
2 グループ全体で処分を可能とする規定を作成する場合の
問題点は何か /114
3 定年後の再雇用者につき,再雇用前の行為を懲戒処分の
対象とすることができるか /116
4 執行役員に適用される規則においても懲戒に関する条項
を設けることができるか /117
Ⅱ どんな行為を処分対象にすべきか 119
1 法令で懲戒処分の対象とすることが求められている行為
はあるか /119
2 一般的に見られる処分対象行為にはどのようなものがあ
るか /120
3 職場外かつ勤務時間外の行為を処分対象として掲げても
よいのか /122
4 「会社の諸規則に違反した場合」という場合にはどこま
での規則違反が含まれるのか /123
5 「改悛の情がないとき」を懲戒処分の対象として掲げる
ことはできるのか /124
6 「その他前各号に準ずる事項」を懲戒処分の対象として掲
げてもよいのか /124
7 教唆者ないし幇助者を処分する旨の規定は必要か /125
Ⅲ どんな処分を定めるべきか 128
1 定めてはいけない処分はあるか /128
2 一般的に定められている懲戒処分はどのようなものか /129
3 一つの行為に対し複数の処分を課すことを可能にする定め
は有効か /130
4 処分対象行為とそれに課される懲戒処分は厳密にリンク
している必要があるか /131
5 情状により処分を加重または軽減することがある旨の定め
は必要か /132
Ⅳ 手続きに関し定めは必要か 134
1 懲戒解雇は行政官庁の認定を得て行う旨の条項は必要か /134
2 弁明の機会の付与に関する定めをすべきか /135
3 賞罰委員会において審査する旨の規定は必要か /136
4 労働組合や労働者代表との協議規定は必要か /138
Ⅴ そのほかに規定すべき事項はあるか 140
1 昇給や昇格などの人事処遇への影響を明記しておくべきか /140
2 懲戒処分を受けた者の賞与の減額につき定めを置くべきか /141
3 懲戒解雇や諭旨解雇の場合の退職金との関係をどう定め
ておくべきか /142
第2ステージ 事実調査 147
Ⅰ 誰が調査に当たるのか 148
1 調査に当たるのは人事部か第三者委員会か /148
2 内部通報やコンプライアンス窓口の処理機関と人事部の
関係は? /149
3 行政機関や司法機関に調査を委ねることができる場合が
あるか /151
Ⅱ 資料の収集 153
1 強制的に資料を提出させることができるのはどこまでか /153
2 机やロッカーなどの貸与物の中を見ることができるか /155
3 会社貸与のパソコンなどのデータをどこまで見ることが
できるか /156
4 所持品検査はどこまでできるか /157
5 素行調査は許されるのか /159
Ⅲ 事情聴取 161
1 事情聴取はどのように進めるべきか /161
2 処分対象者が逮捕,勾留中の場合も事情聴取をすべきか /165
3 処分対象者が被害者ないし関係者同席の場での調査を要
求した場合,どのように対応すべきか /165
4 自らが処分されないのであれば真実を供述する旨表明し
ている者への対応はどのようにすべきか /166
5 供述の信用性はどのような視点から判断するか /167
6 供述内容の記録はどのように整理するか /168
Ⅳ 懲戒対象者との関係でのその他の留意事項 170
1 調査対象者を自宅待機させるべきか /170
2 処分対象とされる可能性のある者が,調査の厳しさのゆえ
に心身に不調をきたした旨申告してきた場合の対応はどの
ようにすべきか /171
3 処分対象者から退職の意向が示された場合,どのように
対応すべきか /173
第3ステージ 処分の決定 175
Ⅰ 処分対象者たり得るかの判断 176
1 非違行為者が取締役であった場合,処分は可能か /176
2 非違行為者が執行役員であった場合処分は可能か /178
3 グループ会社に転籍した者につき,転籍前の行為をもっ
て処分し得るか /178
4 監督責任の懈怠を理由に上司を懲戒処分し得るか /179
Ⅱ 懲戒処分の可否の判断 181
1 過去に注意・指導をしたことがない場合や過去に懲戒処
分を実施したことがない行為についても,懲戒処分をす
ることはできるか /181
2 処分対象者が否認していたり,反対に反省の情が示され
たりしていても,懲戒処分できるか /183
3 被害弁償が図られたり,被害者との示談が成立している
と,懲戒処分はできないのか /184
4 休職中の者についても懲戒処分し得るか /185
5 メンタル不全が非違行為の原因と思われる者についても
懲戒処分し得るか /186
6 ほどなく退職する意向を示している者に対し,なお懲戒処
分できるか /188
Ⅲ 処分量定の決定 190
1 処分量定の決定に際しては,どのような事情を考慮すべ
きか /190
2 公務員の場合の処分量定の基準はどのようなものか /191
3 民間企業の処分量定に関し統計データはあるか /192
4 「いかなる処分もお受けします」との書面に意味はあるか /194
5 労働組合や他の労働者の意見は懲戒処分の効力を左右するか /195
6 共同行為者間の均衡はどのように判断するか /196
Ⅳ 調査,審議過程の記録 198
1 調査・審議過程の記録は作成しておくべきか /198
2 被処分者からの調査・審議過程の記録の公開要求には応
じなければならないか /199
3 労働組合からの調査・審議過程の記録の公開要求にはど
のように対処すべきか /200
第4ステージ 処分の実施と公表 203
Ⅰ 懲戒処分の告知 204
1 懲戒処分は書面で告知する必要があるか /204
2 対象者が懲戒処分通知の受領を拒否する場合,どのよう
に対応すべきか /206
3 行方不明者に対する懲戒解雇の意思表示はどうすればよ
いか /206
4 懲戒処分の理由は書面で交付しなければならないか /207
Ⅱ 懲戒処分の公表 209
1 懲戒処分の公表にあたってどのような点に注意する必要
があるか /209
2 懲戒処分を公表する媒体に制限はあるか /210
3 懲戒解雇ないし諭旨解雇者に関する情報をグループ会社
に伝えてもよいか /211
4 出向者を懲戒処分する場合,出向元と出向先はすべての
情報を共有してよいのか /212
5 懲戒解雇者ないし諭旨解雇者につき前職照会を受けた場
合の対応はどのようにすべきか /213
第3部
類型別にみる調査・処分のポイント
〈経歴詐称〉
類型 1 経歴詐称 /218
〈無断・無届欠勤・勤怠不良〉
類型 2 無断・無届欠勤,勤怠不良 /225
〈業務命令違反〉
類型 3 業務上の指示命令違反 /232
類型
4 時間外・休日労働命令拒否および無許可時間外・休日労働
/238
類型 5 転勤・出向・転籍命令拒否 /246
類型 6 受診命令拒否 /254
〈職場規律違反〉
類型 7 職場内での窃盗・横領行為 /260
類型 8 報告義務違反と不当利得 /268
類型 9 職場内での暴力 /273
類型10 私用メール・ウェブサイト閲覧 /281
類型11 社有車運転中の事故 /287
類型12 社内での政治活動・宗教勧誘・商品販売 /293
類型13 いわゆるセクハラ行為 /298
類型14 身だしなみ規制違反 /305
〈誠実義務〉
類型15 在職中の無許可兼業 /312
類型16 守秘義務違反 /318
類型17 職場外での会社を中傷・誹謗する行為 /326
〈私生活上の非行行為〉
類型 18 通勤途上の痴漢行為 /333
類型 19 勤務時間外の飲酒運転による事故・刑事処分 /341
〈労働組合との関係〉
類型 20 違法争議行為・組合活動 /350
〈その他〉
類型 21 部下の監督責任 /357
類型 22
“パワハラの加害者”と指摘された者の処分 /363
類型 23 社内不倫 /370
類型 24 自己破産ないし給与債権の差押え /375
付 録
① 注意書・警告書の例 382
�勤怠不良者に対する注意書の例 /382
�勤怠不良者に対する注意・警告書の例 /383
�無断欠勤を続けている者に対する出勤の督促および警告書の例
/384
�業務命令違反者に対する注意書の例 /385
�上司または同僚に対し不適切な発言をした者に対する厳重
注意書の例 /386
�職務専念義務違反者に対する注意書の例 /387
�複数の問題行動が見られる労働者に対する注意兼警告書の例
/388
② 懲戒処分を行う際のチェックシート 389
�懲戒処分一般についてのチェックポイント /389
�懲戒解雇をするにあたってのチェックポイント /390
③ 事実調査のポイント 391
�事情聴取の進め方と注意点 /391
�供述の信用性判断のポイント /393
④ 懲戒処分量定にあたって考慮すべき情状 394
�一般的情状 /394
�非違行為者が複数の場合における行為者間の処分の軽重を決
める視点 /395
⑤ 懲戒処分を通知する文書の例 396
�懲戒処分通知書の例⑴ /396
�懲戒処分通知書の例⑵ /397
�諭旨解雇通知書の例 /398
�懲戒解雇通知書の例
⑴ 除外認定を受け,解雇予告手当を支払わない場合 /399
⑵ 解雇予告手当を支払う場合 /400
⑶ 解雇予告期間を置く場合 /401
⑥ 懲戒解雇理由書の例 402
* * *
判例索引 404