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[Topics] 2018年07月10日
注目判決・裁決例(平成29年10月31日裁決)

展示品の機械装置は「新品」には当たらず、特例の適用不可
平成29年10月31日裁決
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機械装置を購入し、中小企業投資促進税制を適用しようとしたところ、その機械装置は販売会社により展示されていたものだから「新品」に当たらないとして、特例の適用を否認された。購入した会社は納得せず、「展示品としての使用では資産価値は減少しないのだから、新品同様だ」と主張したものの、国税不服審判所の判断は当局側の処分を支持するものだった。
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X社は精密板金加工等を営む製造業の法人で、中小企業者等に該当する。
平成27年10月に、X社は切断加工機械Aを6,000万円で購入。翌年1月から事業の用に供した。また、平成28年3月期決算では、機械Aについて「中小企業投資促進税制」(措置法42条の6)の適用を受けることとし、特別償却費を損金に計上の上、確定申告を行った。
ところが平成28年12月、「機械Aは新品ではないため、特例の適用は受けられない」との指摘を原処分庁から受け、特例の適用を否認されてしまった。

租税特別措置法42条の6第1項の規定は、特例の対象となる「特定機械装置等」として、「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」という要件を掲げている。つまり、既に他者が使用した中古の機械は特例の適用を受けられないということだ。
機械Aは、平成26年10月に製造された後、販売会社のE社に購入され、X社に購入される1年以上の間、複数の展示場で展示されていたものだった。時には来場者からの要請により、ステンレスや鉄の切断加工の実演にも使用されていたので、原処分庁は「未使用ではない」との判断を下したのだ。
更正処分・過少申告加算税の賦課決定処分を受けたX社は、これに納得せず、審査請求に及んだ。

審査請求でX社は、以下のように主張した。
(1) 「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」とは、いわゆる新品と同義であり、その製作の後、製作者又は製作者から取得した者の下で固定資産として使用されたことのないものをいうものと解すべき。
(2) E社は機械Aを棚卸資産として管理しており、その間に資産価値は減少していない。
(3) X社は、E社による1年間の保証の下、新品として直接取得した。機械Aが通常の商品と比較して相当に安価であったとしても、それはX社とE社の値段交渉の結果に過ぎない。

これに対して審判所は、まず、「新品に該当するかどうかは販売者によける業種・業態、その資産の構成及び使用の状況に係る事実関係を総合的に勘案して判断することとなる」と指摘した上で、以下のように判断した。
(a) 機械Aは、製造後1年以上にわたり展示場において展示され、来場者の要請に応じて切断加工の実演に使用されていた。
(b) 平成26年11月から平成27年4月までの半年間については毎月のように部品が交換されていた上、コンプレッサー及びエアクリーンユニットの交換も行われていた。
これらの事実によれば、展示場における展示及び実演は、相当程度に機械Aの消耗を伴うものであったことがうかがわれ、E社により使用されていたと認められるから、機械Aは「その製作の後事業の用に供されたことのないもの」には該当せず、特例の適用を受けることはできないとして、原処分庁の処分を適法と認めた。

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