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2022.06.24NEW建設35-D Excelでつくる 簡単作成!工事台帳 が発売になりました
メインテーマ:工事台帳とは?
経営にも役立つ!工事台帳のつくり方
建設業を営んでいる皆さま。
「受注状況は好調で、各工事も順調に進んでいるのに、期末になるとなぜか現金が手元に残っていない」
「進捗状況や売上について大まかに把握しているけど、経営は自転車操業になっている」
といったお悩みはありませんか?
この悩みをズバリと解決するのが、「工事台帳」です。
工事台帳とは、工事ごとの取引明細がすべて記録されており、各工事の収支内容や利益率などを把握するのに役立ち、作成することで経営上の判断の大きな手助けとなるものです。
工事台帳を作成することで、原価計算が確実性の高いものとなり、さらには、工事の進捗状況の把握がしやすくなる、経営事項審査や税務調査、融資などの際の重要な確認書類となるなどといったメリットもあります。
そこでこの記事では、建設業を営むにあたって必要不可欠な「工事台帳」の概要、工事台帳を作る目的と効果、工事台帳の作り方についてご説明いたします。
1.工事台帳とは?
「工事台帳」とは、簡単に言うと、工事現場ごとの原価を集計する帳簿です。工事ごとの取引明細がすべて記録されているものとなり、現場によっては、工事管理台帳、工事原価台帳、工事原価管理台帳とも呼ばれています。それぞれの建設現場における「未成工事支出金」や「完成工事原価」について、①材料費、②労務費、③外注費、④経費の順番で台帳に記載し、お金の流れを管理しています。
工事台帳を作成する主なメリットとしては、原価計算が確実性の高いものとなり、利益を出しやすくなる点、さらには、工事の進捗状況の把握がしやすくなる点、経営事項審査や税務調査や融資などの提出書類として利用できる点などが挙げられます。工事台帳を作成することで、単にお金の流れの管理だけでなく、利益を増やしていくことを念頭にした経営を目指せるようになります。
工事台帳を作成する際は、日付、工事名、仕入先、金額などの項目に、日々発生した費用を記載し管理していきますが、工事台帳に記載する項目(費用)を把握した上で、その必要性をきちんと理解することが重要なポイントとなります。
以下より、工事台帳に記載する項目(費用)についてご説明します。
工事台帳に記載する項目(費用)とは?
工事台帳に記載する項目は、①材料費、②労務費、③外注費、④経費の4つの項目となります。
① 材料費
工事を行うにあたり仕入れた材料や素材にかかる費用のことをいいます。工事に直接要する材料としては、木材や鉄筋、セメント、ガラスなどがあります。工事台帳には、材料に対してかかった費用のほか、材料を仕入れる際にかかった取引費用(運賃など)も含めて記載します。注意しなければならないのは、材料費はその材料を購入した時点では原価に計上されず、その材料を消費した時点で初めて原価として計上する点です。
② 労務費
自社で雇用している作業員(正社員やアルバイトなど雇用形態は問わず)の賃金や、健康保険料・厚生年金保険料などの法定福利費などのことです。社長がみずから現場で作業した場合も、労務費として計上します。
労務費を計算する際は、月間の総作業時間を分母、その現場に入った作業時間を分子にして、それを基本給に掛けて一人一人の労務費を計上していきます。原価管理をしっかり行うためにも、作業員の作業時間は日報を書かせて管理するのがベターです。
注意する点としては、建設作業を行っている作業員に対して発生するものが「労務費」となり、建設現場の事務所などで事務作業を行う事務員に対して発生したもの(※)は労務費に含まれません。
(※)事務作業を行う事務員に対して発生したものは、④経費となります。
③ 外注費
自社で雇用している作業員以外の方に支払う費用のことです。工事現場において下請け業者や協力業者、一人親方など、様々な方たちが一緒に作業をしているケースがあります。こういった建設業特有の事情があり、工事原価のうち外注費の占める割合が高くなるため、外注費を独立させて管理していきます。
④ 経費
工事現場で発生する費用のうち、上記の①材料費、②労務費、③外注費に当てはまらないすべての費用となります。
例えば、重機を借りた費用、工事現場の光熱費、設計費、メンテナンス費用、租税公課、地代家賃、保険料、事務作業を行う事務職員の給料、退職金、事務用品の購入費用、通信交通費、交際費、保障費、雑費などは経費として計上します。
2.工事台帳を作る目的と効果とは?
「工事台帳」の概要についてチェックしたところで、次に、工事台帳を作る目的と効果について詳しくご説明いたします。
【工事台帳を作る5つの目的と効果】
工事台帳を作る目的と効果とは、大きく5つ挙げられます。
①工事の進捗状況の把握ができる
②公共工事の入札参加にあたり、「経営事項審査」で必要な提出書類となる
③正確な原価計算で、各工事の収支内容・利益率を把握できる
④未成工事支出金や完成工事支出金の算出ができる
⑤税務調査や融資を受ける際の確認書類となったり、労働保険の年度更新をしたりする際に役立つ
以下より、詳しく解説します。
① 工事の進捗状況の把握ができる
工事台帳を作成することで、工事現場ごとの取引内容を細かく把握することができます。工事の進捗状況を即時に管理できるため、工事現場ごとのマネジメントを効率化しやすくなるメリットがあります。
② 公共工事の入札参加にあたり、「経営事項審査」で必要な提出書類となる
国や地方公共団体などが発注する公共工事の入札に参加する際、建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、「経営事項審査」を受ける必要があります。
経営事項審査は、経営状況や経営規模等を評価し、総合評価値を求めた上で審査が行われます。入札に参加しようとする建設業者が、その資格があるかどうか審査されるものとなり、毎年、決算終了後に審査を受けなければなりません。
審査が行われる際に必要な書類の一つが「工事台帳」となりますので、公共工事の入札を視野に入れている建設業者の方は作成必須の書類となります。
③ 正確な原価計算で、各工事の収支内容・利益率を把握できる
工事台帳を作成することで、原価計算が確実性の高いものとなります。請負金額とともに工事に必要な費用(原価)を記載しておけるため、「請負金額」-「原価」=「粗利益」を妥当な額で把握することができます。お金の流れをしっかり管理できていると、各工事における収支内容・利益率を把握するのに役立ちます。
なんとなく頭の中で計算し、甘い予算管理になっていた場合、「想定外にお金がかかっている」、「お金が足りない」といったことが起こりがちです。そういったことが避けられ、資金繰りに頭を悩ませるといったことは少なくなるでしょう。
工事台帳があれば、工事受注時や見積作成時に適切な原価予測をすることもできます。適切な原価予測をしておくことで、赤字になりそうな工事も一目瞭然ですし、他社と相見積もりとなった場合、どこまで価格交渉の余地があるのか明白となります。
④ 「未成工事支出金」や「完成工事原価」の算出ができる
工事現場における経理作業は、一般的な企業における経理作業とはやや異なる点があると上述しましたが、具体例の一つとしては、「未成工事支出金」や「完成工事原価」などの科目を使う点です。
工事台帳は、この未成工事支出金や完成工事原価を算出する際にも使われます。
「未成工事支出金」とは、未完成の工事に支払われている費用です。棚卸資産として計上され、製造業会計でいう仕掛品や半製品にあたります。在庫を多めに、または少なめに計上できてしまうため、どんぶり勘定になりがちな科目である点に注意が必要です。
「完成工事原価」とは、完成済みの工事における売上高に計上される工事原価となります。一般会計でいう売上原価にあたります。工事原価がわかることで、完成工事の純利益がいくらになるのか、はっきりします。
未成工事支出金、完成工事原価のいずれも、工事台帳に記載されている①材料費、②労務費、③外注費、④経費の4つの費用項目から構成されており、値を算出するためにも工事台帳の作成が必須となります。
⑤ 税務調査や融資を受ける際の確認書類となったり、労働保険の年度更新をしたりする際に役立つ
工事台帳は、「税務調査」や「融資」を受ける際の確認書類となったり、「労働保険の年度更新」をしたりする際にも活用できます。
建設業は、工事一件あたりの売上が高額であることや、建設業特有の会計処理などの理由から「税務調査」の対象となりやすい業種と言われています。いきなり税務調査の連絡が入り、慌てないためにも工事台帳をしっかり作成しておくと安心です。税務調査では、工事台帳の有無を確認されるケースが多く、きっちり作成しておくことで適切な会計処理がされていることの一つの証明になります。使途不明金などで追徴課税されるリスクも減らすことができるでしょう。
金融機関で「融資」を受ける際に特にチェックされるのが、経営方針や財務・経営状況を明らかにする書類となります。工事台帳はお金の流れをしっかり管理し、経営方針を決める重要な資料となり、融資を受ける際に必ずチェックされるものです。逆に作成しておかないと、お金をしっかり管理していない会社と判断され、低い評価となってしまいます。
「労働保険の年度更新」をする際にも、工事台帳は役立ちます。工事台帳を作成しておかないと、年度更新が非常に煩雑な作業となってしまいます。それを回避し、時間を効率よく使うためにもしっかり工事台帳を作っておくと何かとスムーズでしょう。
3.工事台帳のつくり方
工事台帳は、手書きやExcelで自作する、ソフトやシステムなどのツールを使って作成することができます。
工事台帳を作成するにあたり、手書きで作ろうと考える方が一定数いらっしゃるようです。気軽に導入しやすいというメリットはありますが、手書きですとパソコンを使って作成するのに比べて手間ひまがかかり、手計算によるミスが発生しがちなのがデメリットとも言えます。また、紙で作成した工事台帳を保管した際に、どこにしまったかわからなくなったり、確認するのに時間がかかったりといったこともあります。
パソコンがあれば、Excelなどの表計算ソフトで工事台帳を自作することもできます。日付、工事名、仕入先、金額、現場で発生した費用など必要事項を入力し、関数を使って全体を管理していきます。システムを導入するコストと比べて低いコストで導入でき、マクロや関数を活用できる、テンプレートを活用できる、複数名で管理・編集できるなどのメリットがあります。
ソフトやシステムなどのツールを導入するメリットとしては、より高度な機能が使える、会計ソフトの連携があるなどです。デメリットとしては、システムを利用するにあたり月額コストがかかるケースがあり、費用もそれなりにかかります。そういったことから、いきなりシステムを導入することに抵抗感がある経営者の方も少なくないでしょう。
以上、工事台帳の概要、工事台帳を作る目的と効果、工事台帳のつくり方についてご説明いたしました。工事台帳を作成することで、原価計算が確実性の高いものとなり、利益を出しやすくなる点、工事の進捗状況の把握がしやすくなる点、経営事項審査や税務調査、融資などの確認書類として利用できる点など多くのメリットが得られます。
大型のシステムを導入するほどではない。だが、パソコンで工事台帳を作成できるようになりたい。まずは使い慣れたExcelからはじめてみませんか?
契約から引渡しまでの原価管理・工程管理に!Excelでつくる簡単作成!工事台帳

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