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税理士向けニュース記事

注目判決・裁決例(平成30年12月4日裁決)

2019年09月25日
売上1,000万円以下に調整した集計表作成の隠ぺい・仮装該当性
平成30年12月4日裁決
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消費税の売上金額等を調整し、納税義務がないかのように装った納税者について、「事実の隠ぺい又は仮装」に当たるかが争われた。納税者は、売上金額等を調整した集計表に基づく申告を行っていないことを理由に、隠ぺい又は仮装に当たらないと主張したが、審判所は、納税者の申述等を理由に、隠ぺい又は仮装に当たるとした。
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電気配線工事業を営む個人事業者Xは、免税事業者であったことから、平成21年~27年までの間、消費税等の確定申告書を提出しなかった。原処分庁は平成28年10月に実地調査を行い、Xが作成していた、売上金額などを集計した「年次集計表」を発見。これに基づき税額計算した所得税の修正申告書や消費税の期限後申告書等を作成するよう勧奨した。
Xは、勧奨に従い各申告書を提出。ところが原処分庁は、Xが消費税の課税事業者となることを回避する目的で、各取引先に対する売上等を調整し、事業所得の売上金額を1,000万円以下に減額した年次集計表を作成していた行為に注目。この行為は、課税標準等又は税額の基礎となるなるべき事実についての隠ぺい又は仮装(国税通則法68条1項・2項)に当たるとして、所得税・消費税に係る重加算税の賦課決定処分を行った。
Xはこれを不服として、賦課決定処分の全部取消しを求め、審査請求に及んだ。

Xは、年次集計表は「決算時のメモ」に過ぎず、これに基づいた確定申告書を提出していないことから、隠ぺい又は仮装には当たらないと主張。
これについて審判所は、下記の実地調査時におけるXの申述内容を注視。
(1) Xは、平成18年に売上が1,000万円を超え、平成20年課税期間に課税事業者となったことから、平成19年以降は売上を1,000万円以下に減額して所得税の申告を行うようにした。
(2) 一旦売上を集計して年次集計表を作成した後、申告する金額に○印や下線を付すなどして売上金額の合計が1,000万円以下となるよう調整した上で、収支内訳書に転記、所得税の申告を行った。
この申述内容は、客観的な証拠や事実経過とも符合し、信用性は高いものと認めた。また、上記Xの主張はこの申述内容と矛盾していると指摘し、Xの行為は隠ぺい又は仮装に当たると判断した。