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税理士向けニュース記事

自民税調等、令和5年度税制改正大綱を公表

2022年12月16日
自由民主党、公明党は12月16日、「令和5年度税制改正大綱」を公表した。ポイントは下記のとおり。

一 個人所得課税 
1 金融・証券税制
(1)非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)について、所要の措置を講ずる。
(2)未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(ジュニアNISA)について、所要の措置を講じる。
(3)特定中小会社が設立の際に発行した株式の取得に要した金額の控除等の特例の創設
(4)エンジェル税制について、所要の措置を講ずる。 
(5)特定の取締役等が受ける新株予約権の行使による株式の取得に係る経済的利益の非課税等(ストックオプション税制)について、所要の措置を講じる。 
2 極めて高い水準の所得に対する負担の適正化
(1)その年分の基準所得金額から3億3,000万円を控除した金額に22.5%の税率を乗じた金額がその年分の基準所得税額を超える場合には、その超える金額に相当する所得税を課する措置を講ずる。 
3 土地・住宅税制 
(3)空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例について、所要の措置を講じた上、その適用期限を4年延長する。 
5 その他 
(6)給与所得者の扶養控除等申告書について、その申告書に記載すべき事項がその年の前年の申告内容と異動がない場合には、その記載すべき事項の記載に代えて、その異動がない旨の記載によることができることとする。
(7)給与所得者の保険料控除申告書について、一定の事項の記載を要しないこととする。

二 資産課税 
1 資産移転の時期の選択により中立的な税制の構築 
(1)相続時精算課税制度について、次の見直しを行う。 
 ① 相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した財産に係るその年分の贈与税については、現行の基礎控除とは別途、課税価格から基礎控除110万円を控除できることとするとともに、特定贈与者の死亡に係る相続税の課税価格に加算等をされる当該特定贈与者から贈与により取得した財産の価額は、上記の控除をした後の残額とする。 
 (注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用する。 
 ② 相続時精算課税適用者が特定贈与者から贈与により取得した一定の土地又は建物が当該贈与の日から当該特定贈与者の死亡に係る相続税の申告書の提出期限までの間に災害によって一定の被害を受けた場合には、当該相続税の課税価格への加算等の基礎となる当該土地又は建物の価額は、当該贈与の時における価額から当該価額のうち当該災害によって被害を受けた部分に相当する額を控除した残額とする。 
 (注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に生ずる災害により被害を受ける場合について適用する。 
(2)相続開始前に贈与があった場合の相続税の課税価格への加算期間等について、次の見直しを行う。 
 ① 相続又は遺贈により財産を取得した者が、当該相続の開始前7年以内(現行:3年以内)に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合には、当該贈与により取得した財産の価額(当該財産のうち当該相続の開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産については、当該財産の価額の合計額から100万円を控除した残額)を相続税の課税価格に加算することとする。 
 (注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税について適用する。 
2 教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置 
(1)直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、所要の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する。 
(2)直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、受贈者が50歳に達した場合等において、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額に贈与税が課されるときは、一般税率を適用することとした上、その適用期限を2年延長する。
4 その他
(1)更正をすることができないこととなる日前6月以内に相続税の更正の請求がされた場合において、当該請求に係る更正に伴い当該請求をした者の被相続人から相続等により財産を取得した他の者に係る課税価格等に異動を生ずるとき(当該他の者に係る通常の更正決定等の除斥期間が満了する日以前に当該請求がされた場合に限る。)は、当該他の者の相続税に係る更正若しくは決定又は当該更正若しくは決定等に伴う加算税の賦課決定は、当該請求があった日から6月を経過する日まで行うことができることとするほか、所要の整備を行う。

三 法人課税 
1 成長と分配の好循環の実現 
(1)特別新事業開拓事業者に対し特定事業活動として出資をした場合の課税の特例について、所要の措置を講ずる。
(2)試験研究を行った場合の税額控除制度(研究開発税制)について、見直しを行う。
 ① 一般試験研究費の額に係る税額控除制度
 ② 中小企業技術基盤強化税制
 ③ 特別試験研究費の額に係る税額控除制度
2 地域における活力
(2)中小企業投資促進税制について、見直しを行った上、その適用期限を2年延長する。
(3)中小企業経営強化税制について、関係法令の改正を前提に特定経営力向上設備等の対象から一定の事業の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを除外した上、その適用期限を2年延長する。 
3 円滑・適正な納税のための環境整備 
(3)通算子法人の残余財産の確定の日が通算親法人の事業年度終了の日である場合におけるその通算子法人の法人税及び地方法人税の確定申告書の提出期限について、見直しを行う。 
(4)青色申告の承認申請書について、記載事項の簡素化を行う。
(5)青色申告書による申告をやめる旨の届出書について、その提出期限をその申告をやめようとする事業年度の確定申告書の提出期限(現行:その申告をやめようとする事業年度終了の日の翌日から2月以内)とするとともに、記載事項の簡素化を行う。 
4 その他の租税特別措置等
〔廃止・縮減等〕
(11)特定の資産の買換えの場合等の課税の特例について、次の見直しを行った上、その適用期限を3年延長する。 
 ① 既成市街地等の内から外への買換えを適用対象から除外する。
 ③ 長期所有の土地、建物等から国内にある土地、建物等への買換えについて、東京都の特別区の区域から地域再生法の集中地域以外の地域への本店又は主たる事務所の所在地の移転を伴う買換えの課税の繰延べ割合を90%(現行:80%)に引き上げ、同法の集中地域以外の地域から東京都の特別区の区域への本店又は主たる事務所の所在地の移転を伴う買換えの課税の繰延べ割合を60%(現行:70%)に引き下げる。 
 ⑤ 先行取得の場合、特定の資産の譲渡に伴い特別勘定を設けた場合の課税の特例及び特定の資産を交換した場合の課税の特例を除き、譲渡資産を譲渡した日又は買換資産を取得した日のいずれか早い日の属する3月期間の末日の翌日以後2月以内に本特例の適用を受ける旨、適用を受けようとする措置の別、取得予定資産又は譲渡予定資産の種類等を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に届け出ることを適用要件に加える。
5 その他
(4)企業再生に関する税制について、次の措置を講ずる。 
 ① 事業再構築のための私的整理法制が整備されることを前提に、所要の措置を講ずる。
 ② 個別評価金銭債権に係る貸倒引当金制度について、企業再生税制の適用対象である再生計画認可の決定があったことに準ずる事実が本制度の対象となる事由であることを明確化する。 
 ③ 再生計画認可の決定があったことに準ずる事実が生じた場合で資産の評価損益の計上を行わないときは、民事再生等一定の事実による債務免除等があった場合に青色欠損金等の控除後に繰越欠損金を損金算入できる制度の適用があることを明確化する。 
(5)暗号資産の評価方法等について、見直しを行う。

四 消費課税 
1 適格請求書等保存方式に係る見直し 
(1)適格請求書発行事業者となる小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置 
 ① 適格請求書発行事業者の令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する各課税期間において、免税事業者が適格請求書発行事業者となったこと又は課税事業者選択届出書を提出したことにより事業者免税点制度の適用を受けられないこととなる場合には、その課税期間における課税標準額に対する消費税額から控除する金額を、当該課税標準額に対する消費税額に8割を乗じた額とすることにより、納付税額を当該課税標準額に対する消費税額の2割とすることができることとする。 
 ② 適格請求書発行事業者が上記①の適用を受けようとする場合には、確定申告書にその旨を付記するものとする。 
 ③ 上記①の適用を受けた適格請求書発行事業者が、当該適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を納税地を所轄する税務署長に提出したときは、その提出した日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を認めることとする。 
 ④ その他所要の措置を講ずる。 
(2)基準期間における課税売上高が1億円以下又は特定期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者が、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの間に国内において行う課税仕入れについて、当該課税仕入れに係る支払対価の額が1万円未満である場合には、一定の事項が記載された帳簿のみの保存による仕入税額控除を認める経過措置を講ずる。 
(3)売上げに係る対価の返還等に係る税込価額が1万円未満である場合には、その適格返還請求書の交付義務を免除する。 
(4)適格請求書発行事業者登録制度について、次の見直しを行う。 
 ① 免税事業者が適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、課税期間の初日から登録を受けようとする場合には、当該課税期間の初日から起算して15日前の日(現行:当該課税期間の初日の前日から起算して1月前の日)までに登録申請書を提出しなければならないこととする。この場合において、当該課税期間の初日後に登録がされたときは、同日に登録を受けたものとみなす。 
 ② 適格請求書発行事業者が登録の取消しを求める届出書を提出し、その提出があった課税期間の翌課税期間の初日から登録を取り消そうとする場合には、当該翌課税期間の初日から起算して15日前の日(現行:その提出があった課税期間の末日から起算して30日前の日の前日)までに届出書を提出しなければならないこととする。 
 ③ 適格請求書発行事業者の登録等に関する経過措置の適用により、令和5年10月1日後に適格請求書発行事業者の登録を受けようとする免税事業者は、その登録申請書に、提出する日から15日を経過する日以後の日を登録希望日として記載するものとする。この場合において、当該登録希望日後に登録がされたときは、当該登録希望日に登録を受けたものとみなす。 
 (注)上記の改正の趣旨等を踏まえ、令和5年10月1日から適格請求書発行事業者の登録を受けようとする事業者が、その申請期限後に提出する登録申請書に記載する困難な事情については、運用上、記載がなくとも改めて求めないものとする。 

五 国際課税 
1 グローバル・ミニマム課税への対応
(1)各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(国税)(仮称)の創設
 ① 納税義務者 
  内国法人は、各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税(仮称)を納める義務がある。ただし、公共法人については、その義務がない。 
2 外国子会社合算税制等の見直し 

六 納税環境整備 
1 電子帳簿等保存制度の見直し
(1)国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存制度について、一定の国税関係帳簿に係る電磁的記録の保存等が、国税の納税義務の適正な履行に資するものとして一定の要件等を満たしている場合におけるその国税関係帳簿(以下「優良な電子帳簿」という。)に係る過少申告加算税の軽減措置の対象となる申告所得税及び法人税に係る優良な電子帳簿の範囲を次のとおりとする。 
 ① 仕訳帳 
 ② 総勘定元帳 
 ③ 一定の事項の記載に係る上記①及び②以外の帳簿 
 (注)上記の改正は、令和6年1月1日以後に法定申告期限等が到来する国税について適用する。 
(2)国税関係書類に係るスキャナ保存制度について、見直しを行う。
(3)電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度について、見直しを行う。
2 加算税制度の見直し
(1)無申告加算税の割合(現行:15%(納付すべき税額が 50万円を超える部分は20%))について、納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合を30%に引き上げる。 
 (注1)調査通知以後に、かつ、その調査があることにより更正又は決定があるべきことを予知((2)において「更正予知」という。)する前にされた期限後申告又は修正申告に基づく無申告加算税の割合(現行:10%(納付すべき税額が50万円を超える部分は 15%))については、上記の納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合を25%とする。 
 (注2)上記の納付すべき税額が300万円を超える部分に対する割合について、納付すべき税額が300万円を超えることにつき納税者の責めに帰すべき事由がない場合の適用に関する所要の措置を講ずる。
(2)過去に無申告加算税又は重加算税が課されたことがある場合に無申告加算税又は重加算税の割合を10%加重する措置の対象に、期限後申告若しくは修正申告(調査通知前に、かつ、更正予知する前にされたものを除く。)又は更正若しくは決定(以下「期限後申告等」という。)があった場合において、その期限後申告等に係る国税の前年度及び前々年度の当該国税の属する税目について、無申告加算税(期限後申告又は修正申告が、調査通知前に、かつ、更正予知する前にされたものであるときに課されたものを除く。)若しくは無申告加算税に代えて課される重加算税((2)において「無申告加算税等」という。)を課されたことがあるとき、又はその無申告加算税等に係る賦課決定をすべきと認めるときに、その期限後申告等に基づき課する無申告加算税等を加える。 
 (注)過少申告加算税、源泉徴収等による国税に係る不納付加算税及び重加算税(無申告加算税に代えて課されるものを除く。)については、上記の見直しの対象としない。
3 その他
(3)税理士の懲戒処分等の公告方法の見直し 
 税理士の懲戒処分の公告は、財務大臣が、公告事項を、相当と認める期間、インターネットを利用する方法により不特定多数の者が閲覧することができる状態に置く措置をとるとともに、官報をもって公告する方法により行うこととする(税理士であった者の懲戒処分を受けるべきであったことについての決定の公告及び税理士法人の税理士法違反行為等に対する処分の公告についても同様とする。)。