11月8日

●イチネンＨＤ子会社に揮発油税2,000万円追徴

国税当局は、揮発油税等の課税要件を満たす機械用の洗浄剤等を無申告で販売したとして、株式会社イチネンホールディングス（港区、東証プライム上場）子会社の化学メーカー、株式会社イチネンケミカルズ（港区）に約2,000万円を追徴課税した。既に期限後申告と納付を済ませたという。

●神田財務副大臣の個人会社、地方税滞納・差押え報道

神田憲次財務副大臣（60、税理士資格者）が代表取締役を務める個人会社・有限会社エヌケイソリューションが地方税の滞納を繰り返しており、同社所有のビル（4階が神田憲次税理士事務所）が過去4回差押えを受けたと、週刊誌（週刊文春）が報じた。

11月9日

●3,400万円脱税の疑いで横浜の住宅リフォーム会社と代表を告発

東京国税局は、約3,400万円を脱税したとして、住宅リフォーム業のピップフォーム総業株式会社（神奈川県横浜市旭区）とＨ代表（46）を、法人税法違反の疑いで横浜地検に告発した。現金で支払われた売上の一部を秘匿したり、虚偽の交際費等を計上したりして、令和3年10月までの4年間で約1億4,900万円の所得を隠した疑い。同社は、同国税局の査察を受けた後の今年5月、社名を株式会社リ・ラクティブから変更し、横浜市瀬谷区から移転していた。

11月10日

●Ｊリーグ複数クラブに申告漏れ指摘

国税当局が、Ｊリーグに加盟する複数のクラブ対し申告漏れを指摘したと、スポーツ紙（スポーツ報知）が報じた。多くの外国人選手は、国内での所得税・住民税等についてクラブ側が負担する契約を結んでおり、クラブ側は国内滞在期間や契約年数等に応じて、居住者または非居住者として納税しているものの、実態に見合わないケースが複数あったという。事態を受けＪリーグは、全60クラブに対し、適切な納税を行うよう通達を出した。

●シャワー室天井に侵入・盗撮容疑で国税職員を逮捕

武蔵野署は、東京国税局業務センターの男性職員・Ｓ容疑者（36、東京都武蔵野市）を、建造物侵入容疑で現行犯逮捕した。9日21時半頃、ＪＲ武蔵境駅付近のインターネットカフェにて、正当な理由なくシャワー室の天井裏に忍び込んだもので、出てこないことを不審に思った店員が確認したところ天井の板が外れていたため、通報したという。所持していたスマートフォンには女性の裸等が撮影された動画が記録されており、武蔵野署は性的姿態撮影処罰法違反（撮影）容疑でも捜査中。

11月13日

●業務上横領・脱税の疑いで海員組合前トップを告発

海事産業の労働組合である全日本海員組合（東京都港区）の組合員ら26人は、Ｍ前組合長（58）が関連団体の基金から約3億円を私的に流用したとして、業務上横領・所得税法違反の疑いで東京地検に告発状を提出したと公表した。私的流用された基金のうち、返還されたのはごく一部であるという。Ｍ前組合長をめぐっては、私的流用は実質的な給与にあたるとして、東京国税局が令和2年までの6年間で約6億円の申告漏れを指摘している。

11月14日

大阪国税局は、共謀して消費税等約1億6,600万円の還付を不正に受けようとし、うち約1,645万円を実際に受け取ったとして逮捕された会社員・Ｗ容疑者（35、東京都江東区、中国籍）と、株式会社Libitish（大阪市中央区）およびＯ代表（同）、株式会社la・encanta（兵庫県伊丹市）およびＫ代表（大阪府寝屋川市）、株式会社アームボースト（大阪市中央区）およびＮ代表（兵庫県加西市）を、消費税法違反等の疑いで大阪地検に告発した。3社はいずれも時計販売会社で、Ｗ容疑者が3社に不正還付の手法を指南したうえ、さらに実在する高級時計のシリアルナンバー、購入したふりをする外国人、パスポート番号等も手配して、Libitish社が約5,000万円、la・encanta社が約7,000万円、アームボースト社が約4,400万円の還付をそれぞれ不正に受けようとしたもの。

●滞納報道の神田財務副大臣辞任

神田憲次財務副大臣（60、税理士資格者）の個人会社が固定資産税約344万円等を9回にわたり滞納し、土地・建物を4回差し押さえられていたと報道されたことを受け、同氏は国会で事実を認めて副大臣を辞任した。なお、同氏は滞納した自動車税等約200万円を知人の男性税理士（61）に立て替えてもらっており、いまだ返済していないとも報じられている。

11月16日

●1.1億円脱税等の疑いで京都市の土木会社と代表を告発

大阪国税局は、約1億1,300万円を脱税した等として、土木建築工事業の木原建設株式会社（京都市南区）と代表取締役・Ｋ氏（51）を、法人税法違反等の疑いで京都地検に6月28日付で告発した。架空の外注加工費を計上する等して、令和3年6月期までの3年間の所得約3億2,500万円を秘匿したほか、架空の外注加工費を課税仕入れにする等して控除対象仕入税額を過大に計上して令和3年6月30日までの3課税期間の消費税等を免れ、さらに約800万円の還付を受けた疑い。

●脱税指南の元税理士に有罪判決

大阪地裁は、海外法人に資金を循環させる脱税スキームを会社経営者に提供したとして法人税法違反等の罪に問われたＩ被告（61、元税理士）に対し、懲役1年・執行猶予3年、罰金80万円の判決を言い渡した。平成26～28年、不動産会社の元社長らと共謀し法人税等約6,600万円を脱税したほか、脱税指南による手数料を受け取っていたもの。

11月18日

●弘前市、市有地貸付けで消費税徴収漏れ

青森県弘前市は、市有地の貸付けにおいて、消費税等の徴収漏れが過去10年前後で17件（計約182万円）あったと公表した。建物が建った土地や駐車場の使用料に係る消費税を徴収していなかったもので、平成元年の消費税導入時にあわせて改正された市条例が誤っていたという。

11月20日

●楽天モバイル元部長と運送会社の資産18億円差押え

東京国税局が、楽天モバイル株式会社（東京都世田谷区）の携帯電話基地局の整備をめぐる98億円詐欺事件に関連して、詐欺罪で起訴されている元物流管理部長・Ｓ被告（47）と、業務の再委託先である運送業・株式会社TRAIL（東京都港区、破産手続中）の資産約18億円相当を差し押さえていたことがわかった。同局はＳ被告に約10億円、TRAIL社に約30億円をそれぞれ追徴課税していたものの、Ｓ被告の口座が凍結されたりTRAIL社の事業継続が難しくなったりして納税の見通しがたたないことから、繰上保全差押えに至ったもよう。

●南足柄市、源泉所得税2,200万円納付漏れ

神奈川県南足柄市は、3年前の6月、職員等に支給した賞与に係る源泉所得税約2,200万円が未納付だったと公表した。担当職員が処理を忘れ、決済担当者もミスに気付かなかったことが原因。今年5月に県内の自治体で同様のミスがあったことを受け確認したことで判明したという。延滞税等はこれから追徴される見込み。

11月21日

●4,000万円詐欺の疑いで中古車会社元社長らと税理士法人職員を逮捕

兵庫県警捜査2課は、共謀して4,000万円を詐取したとして、輸入車・スポーツカーの中古販売・整備業の株式会社FATE（兵庫県宝塚市、令和3年に破産）の元代表取締役の男性（36、兵庫県西宮市、元神戸青年会議所理事長）、元総務部長の男性（35、大阪府茨木市）、税理士法人職員の男性（40、大阪府吹田市）を、詐欺の疑いで逮捕した。四国銀行尼崎支店に仕入資金名目の融資を申請し、粉飾した決算報告書を提出する等して、令和3年2月に融資金4,000万円をだまし取ったという。