年末調整業務
年末調整業務とは
毎月の給与支給の際に「源泉徴収税額表」によって算出した所得税を源泉徴収しますが、その源泉徴収した税額の1年間の合計額は、1年間の給与総額について納めなければならない税額(年税額)とは、扶養家族の増減や生命保険料、地震保険料控除の反映などにより一致しないのが通常です。そのため、1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税額を正しく計算し、それまでに徴収した税額との過不足額を求め、その差額を徴収又は還付し精算することが年末調整です。
年末調整対象者
給与の支払者(会社)に給与所得者の扶養控除等(異動)控除申告書を提出している人が対象になりますが、その年の給与の収入金額が2,000万円を超える人は年末調整の対象にはなりません。そのほか対象にならない人については国税庁のホームページをご確認ください。
年末調整業務の流れ
今年の改正点
令和5年の改正内容は下記の通りです。
- 非居住者である扶養親族の適用要件変更
- 住宅借入金等特別控除区分の追加
- 退職手当を有する配偶者・扶養親族がいる場合の報告書への記載
- 非居住者である扶養親族の適用要件変更
【改正内容】
30歳以上70歳未満の非居住者の扶養控除の要件が変更になります。
扶養控除の対象となる国外居住親族は、扶養親族(居住者の親族のうち、合計所得金額が48万円以下である者)で16歳以上という要件でしたが、改正後は「30歳以上70歳未満」の扶養親族については、適用要件が変更となりました。
- 住宅借入金等特別控除区分の追加
【改正内容】
給与所得の源泉徴収票(給与支払報告書)の「住宅借入金特別控除区分」に住宅が「特例居住用家屋」または「特例認定住宅」に該当する場合「住(特家)」「認(特家)」「震(特家)」を記載します。
『住宅借入金特別控除区分』
住・認・増・震(※当区分については(特)(特特)(特特特)を併記する場合あり)・住(特家)・認(特家)・震(特家)
- 退職手当を有する配偶者・扶養親族がいる場合の給与支払報告書への記載
【改正内容】
退職手当等を有するために、合計所得金額が所得税の控除対象外となった配偶者および扶養親族のうち、その退職手当等を除くと住民税の控除対象となる配偶者、扶養親族の情報を令和5年扶養控除申告書から記入することになりましたが、この情報を給与支払報告書の備考欄へ記載することとなります。