「給付付き税額控除のイメージ」が示されました
5月27日、政府の社会保障国民会議の下に設置されている給付付き税額控除等に関する実務者会議の第12回目が開催され、中間とりまとめに向けた議論の整理として「給付付き税額控除のイメージ」が示されました。
次の3点に関する内容となっています。
●政策目的
●制度設計
●執行等
中間とりまとめに向けた議論の整理については、第11回目(5月20日開催)でも示されており、ここで示された内容とあわせると、次のような内容となっています。
●政策目的
→ 共働き子育て世帯の純負担率については、生活保護水準をやや上回る収入の世帯において、純負担率が諸外国と比べて高くなっており、諸外国との比較を通じて純負担率の改善が必要であることが明らかになった、中低所得の現役勤労者に着目
→ 下記2つにより、個人が将来に対し希望を持てるようにすることを目指す
(1)中低所得の現役勤労者の負担軽減を通じ、所得に応じて、これまでよりも一層手取りが増えるようにするとともに、
(2)いわゆる「年収の壁」などによる「働き控え」を緩和することを通じた就労促進を図る
→ 制度横断的に、負担(税・社会保険料)と現金給付を総合的に捉え、純負担率を調整し、所得に連動したきめ細かな支援を実施する
●制度設計
→ 支援の単位は原則「個人単位」とし、複雑な制度設計を避けながら、世帯のうち配偶者の所得を勘案する一定の例外を設けることを検討
→ 支援額は下記のように所得が増えるにしたがって、定額、逓増、定額、逓減、消失させる
非課税ライン以下:定額
非課税ライン超:勤労性の所得に応じて逓増、年収の壁を超えた方向けに一定の支援額を上乗せ
→ 支援額は、純負担率に係る日本と諸外国(G3)の差額などを参照しながら、恒久財源の確保のめどが立つ範囲で設定。恒久財源の確保とあわせて検討
→ 公平性の観点から、総所得(金融所得については、実務的環境等が整い次第対応)に応じて逓減・消失
→ 子育て世帯への配慮として、支援額の加算や所得金額の上限の引上げ
→ 単身者、自営業者、フリーランス、高齢者(就労し、純負担率が現役並みの中低所得高齢者)も対象
→ 一定の勤労性の収入があり、一定の社会保険料負担がある者を対象とする
→ 低年金、低所得の方や障害等の事情により働きたくても働けない方やフリーランス・非正規雇用の方々への対応については、既存の制度で対応が行われてきている一方、支援が行き届いていないとの指摘があることを踏まえ、課題を明確にした上で、必要な対応の在り方について検討を進めていく
●執行等
→ 早期かつ円滑に実施できるよう、既存の情報インフラで把握される情報を活用し、給付に一本化して、所得に連動したきめ細かな支援を実現(減税と給付を組み合わせることや、見込みと確定の二段階で給付を行う仕組みとはしない)
→ 国と地方が協力して運営
→ これまでの臨時給付金のような一時的な措置ではなく、法令による明確な基準のもとで、毎年度見通しをもって実施していく
→ 事業主が年末調整を通じて事務を担うことについては、特に中小事業者において対応が困難で、事後的に、自治体が保有している個人に名寄せされた税務情報と突合した結果、返還が必要になる可能性があり、制度の信頼性や実現可能性の観点から対応が困難
→ 新型コロナウイルス感染症蔓延時の対応の経験も踏まえ、デジタル基盤やマイナンバー等を最大限に活用する
また、第11回目資料では、給付付き税額控除の制度設計に関連する税・社会保障制度についても言及があり、次のような内容が示されています。
●給付付き税額控除が、社会保障制度を取り巻く全ての政策課題を解決するものではないことを認識した上で、給付付き税額控除と既存の社会保障制度の双方から取り残される者が生じないよう、制度間の適切な連携を図り、議論を進めていく
●第3号被保険者制度の見直しや被用者保険の適用拡大のさらなる加速が重要であり、この機会に併せて検討を進める必要がある
●子育て世帯を対象とした既存の支援制度全体については、給付付き税額控除も踏まえ、見直しの議論をする必要がある
●税制に関しては、給付付き税額控除の実施も踏まえ、人的控除の在り方について継続的に検討する
●上記にとどまらず、医療・介護制度改革など社会保障・雇用・税の各制度の見直しを、ロードマップを描きながら、継続的に議論する必要がある
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。