持続可能な社会保障に向けた提案がなされました
12月3日、令和6年第15回経済財政諮問会議が開催され、経済団体代表ら有識者議員より持続可能な社会保障に向けた提案がなされました。
「2030年代以降も実質1%を上回る成長の下、足下から給付費対GDP比の上昇基調に対する給付と負担の改革を継続していく必要がある。このためには、社会保障が経済を支える機能の向上と、経済・物価動向等を踏まえながら、社会保障費の実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びにおさめていくことが求められる」として、年内に取りまとめる「経済・財政新生計画」の工程具体化への反映と着実な実行を求める次の4つを提案しています。
1 生涯活躍社会の実現に向けた働き方に中立的な制度の確立
●被用者保険の適用拡大
→ 企業規模要件と個人事業所の非適用業種の速やかな撤廃
●年収の壁・支援強化パッケージ
→ 手続きの簡素化、広報・啓発等各般の措置の実施
●在職老齢年金
→ 支給停止の収入基準額引上げ
2 給付と負担のバランスの確保
●給付と負担の不断の見直し
→ 「改革工程」にある給付・サービスの見直しとともに、年齢ではなく所得・資産に即した応能負担の強化
→ セルフメディケーションの推進と歩調を合わせた保険給付範囲の見直し
→ 定められた期限内に介護の給付と負担の見直しに関する結論を得る
●国保の保険者機能強化
→ 都道府県内の保険料水準統一、普通調整交付金や保険者努力支援制度等の財政支援制度の在り方の検討
3 健康と安心を支える効率的な医療・介護提供体制の構築
●地域医療構想
→ 2025年目標までの課題分析に基づき、年内に、2040年に向けた地域類型別の実効性ある方針を示すとともに、2040年に向けた中間目標を設定
●医師偏在是正
→ 規制的手法による新規参入規制や新陳代謝の促進、診療報酬等のメリハリ付けによる経済的インセンティブを組み合わせて実施
●介護提供体制
→ ロボット・AIの活用による省人化・生産性向上、経営の協働化・大規模化、保険外サービス事業者との連携を推進
→ ビジネスケアラー増加に対し、企業向けガイドライン等による介護と仕事の両立に係る取組みを推進
4 医療・介護分野におけるイノベーション創出
●医療・介護DX
→ 全国医療情報プラットフォーム構築等を推進し、プラットフォーム上の情報を二次利用する環境を整備
●HX (Healthcare Transformation)
→ 民間サービスや保険者のデータヘルス推進等により、予防・健康づくりを強化
●創薬力強化
→ 迅速な治験のための環境整備等により創薬エコシステムを強化
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