令和7年度厚生労働省補正予算案の概要が公表されています
11月28日、政府は令和7年度補正予算案を閣議決定し、厚生労働省ホームページに「令和7年度厚生労働省補正予算案の概要」が公表されています。
次の6つの柱で構成されています。
Ⅰ 「医療・介護等支援パッケージ」
Ⅱ 物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた支援等
Ⅲ 医療・介護の確保、DXの推進、「攻めの予防医療」の推進等
Ⅳ 創薬力強化に向けたイノベーションの推進、医薬品等の安定供給確保や品質・安全性の確保等
Ⅴ 次なる感染症危機等に備えた体制強化、国際保健への戦略的取組等
Ⅵ 包摂的な地域共生社会の実現等
ここでは、賃上げに関する施策が盛り込まれている上記Ⅰ・Ⅱから主なものを紹介します。
【Ⅰ 「医療・介護等支援パッケージ」】
●医療・介護等支援パッケージ(医療分野)【10,368億円】
・賃上げ・物価上昇に対する支援
・施設整備の促進に対する支援
・(独)福祉医療機構による優遇融資等の実施
・医療分野における生産性向上に対する支援
・病床数の適正化に対する支援
・出生数・患者数の減少等を踏まえた産科・小児科への支援
●医療分野における賃上げ・物価上昇に対する支援
交付額:医療従事者の処遇改善支援、診療に必要な経費に係る物価上昇対策の合計[補助率10/10]
・病院(1床当たり):19.5万円
・有床診療所(1床当たり):8.5万円
・医科無床診療所・歯科診療所(1施設当たり):32.0万円
・保険薬局(1施設当たり):店舗数に応じて23.0万円~12.0万円
・訪問看護ST(1施設当たり):22.8万円
実施要件(対象、補助率等)等:
(1)医療機関や薬局は都道府県に交付申請する際に申請に必要な内容を申請し、都道府県が当該内容を適当と認めれば国に所要額を交付申請
(2)国は都道府県に所要額を交付決定し、都道府県が医療機関や薬局に支給
(3)都道府県が国に実績報告を行い、国は交付額を確定して都道府県に通知
実施スケジュール:予算成立後、速やかに実施
●医療・介護等支援パッケージ(介護分野)【2,721億円】
・介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業
・介護事業所・施設のサービス継続支援事業
・介護テクノロジー導入・協働化・経営改善等支援事業
・訪問介護・ケアマネジメントの提供体制確保支援事業
●介護分野における物価上昇・賃上げ等に対する支援(介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業)
概要:(1)介護従事者に対して幅広く賃上げ支援(注1)を実施
(2)生産性向上や協働化に取り組む事業者(注2)の介護職員に対して賃上げ支援を上乗せ
(3)併せて、介護職員について、職場環境改善に取り組む事業者(注3)を支援(介護職員等の人件費に充てることも可能)
(注1)処遇改善加算の対象サービスは加算取得事業者、対象外サービス(訪問看護、訪問リハ、ケアマネ等)は処遇改善加算に準ずる要件を満たす(または見込み)事業者が対象
(注2)処遇改善加算の取得に加え、以下の要件を満たす事業者
ア)訪問、通所サービス等→ ケアプランデータ連携システムに加入(または見込み)等
イ)施設、居住サービス、多機能サービス、短期入所サービス等→ 生産性向上加算ⅠまたはⅡを取得(または見込み)等
(注3)処遇改善加算を取得の上、職場環境等要件のさらなる充足等に向けて、職場環境改善を計画し実施する事業者(要件は、令和6年度補正予算の「介護人材確保・職場環境改善等事業」と同様)
支給要件・金額:(1)介護従事者に対する幅広い賃上げ支援:1.0万円
(2)協働化等に取り組む事業者の介護職員に対する上乗せ:0.5万円
(3)介護職員の職場環境改善の支援:人件費に充てた場合、介護職員に対する0.4万円の賃上げに相当
対象期間:令和7年12月~令和8年5月の賃上げ相当額を支給
執行のイメージ:(1)介護事業所より都道府県に申請(計画書等を提出)
(2)都道府県より介護事業所に交付決定。補助金の交付(補助率10/10)
(3)介護事業所より都道府県に事業実施後、報告(実績報告書を提出)
●医療・介護等支援パッケージ(障害福祉分野)【453億円】
・障害福祉分野における賃上げに対する支援
・障害福祉分野の介護テクノロジー導入支援事業
・障害福祉分野における人材確保・生産性向上サポート促進事業(都道府県等実施分)
・障害福祉分野における人材確保・生産性向上サポート拠点整備事業(国実施分)
●障害福祉分野における賃上げに対する支援
概要:障害福祉従事者に対して幅広く賃上げ支援(注4)を実施
(注4)処遇改善加算の対象サービスについては加算を取得し取組みを推進する(または見込み)事業者、対象外サービス(計画相談支援、地域移行支援、地域定着支援)については処遇改善加算取得事業者に準ずる要件を満たす(または見込み)事業者が対象
支給要件・金額:障害福祉従事者に対する幅広い賃上げ支援 1.0万円
対象期間:令和7年12月~令和8年5月の賃上げ相当額を支給
【Ⅱ 物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた支援等】
●最低賃金の引上げに向けた環境整備を支援する業務改善助成金【352億円】
助成対象:(1)中小企業事業者であること
(2)事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
※令和7年9月5日~令和7年度地域別最低賃金の発効日の前日までの申請分は、事業場内最低賃金が、令和7年度改定後の地域別最低賃金未満まで対象
助成率:(1)事業場内最低賃金1,000円未満:4/5
(2)事業場内最低賃金1,000円以上:3/4
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。