同一労働同一賃金ガイドライン見直しに関する報告書案が示されました
12月11日、第28回労働政策審議会職業安定分科会雇用環境・均等分科会 同一労働同一賃金部会が開催され、同一労働同一賃金ガイドライン見直し案とともに報告書案が示されました。
報告書案の「第2 必要な対応の具体的な内容」は、次のような構成となっています。
1 均等・均衡待遇
(1)同一労働同一賃金ガイドラインの更なる明確化
(2)パートタイム・有期雇用労働者及び派遣労働者の意見の反映
(3)労働者派遣制度における待遇決定方式の運用改善
(4)福利厚生施設
(5)いわゆる「立証責任」
2 労働者に対する待遇に関する説明義務の改善
(1)待遇の相違の内容及び理由等について事業主及び派遣元事業主に説明を求めることができる旨の労働条件明示事項への追加等
(2)待遇の相違の内容及び理由等の説明の方法
3 公正な評価による待遇改善の促進等
(1)公正な評価による待遇改善の促進
(2)情報公表の促進
(3)正社員転換支援・キャリアアップ
(4)「多様な正社員」制度の普及促進等
(5)無期雇用フルタイム労働者
4 行政による履行確保
例えば、「(3)労働者派遣制度における待遇決定方式の運用改善」には次のような内容があります。
② 一般賃金の算出方法及び運用の改善
○ 一般通勤手当の算定に当たり利用している「企業の諸手当等の人事処遇制度に関する調査(平成25年調査)」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)について、「就労条件総合調査」(厚生労働省)(※)に変更することが適当である。
(※)通勤手当に関する調査は5年おきに実施(直近は令和7年調査)
○ 協定対象派遣労働者の待遇改善を進める観点から、労使協定の締結に際し、
i 改定後の一般賃金水準を遵守した上で、経済・物価動向び賃金金動向を勘案して賃金を決定することについて労使で十分に協議することが考えられること
ii 協定対象派遣労働者の賃金の額については、一般賃金の額が下がった場合であっても、見直し前の労使協定に定める額を基礎として、公正な待遇の確保について労使で十分に協議することが望まれること
iii 労使で十分に協議を行ったとしても、待遇を引き下げる場合は、労働条件の不利益変更となり得るものであり、労働条件の不利益変更には、労働契約法(平成19年法律第128号)上、原則として労使双方の合意が必要であることに留意すること
を指針等で示すことが適当である。
また、無期雇用フルタイム労働者については、次のように示されています。
(5)無期雇用フルタイム労働者
○ 無期雇用フルタイム労働者については、労働契約法第3条第2項の規定により、労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとされていることや、無期転換後の労働条件を労働者に明示する場合においては、同項の規定の趣旨を踏まえて就業の実態に応じて均衡を考慮した事項について、当該労働者に説明するよう努めなければならないとされ、令和6年4月から施行されていること等を踏まえれば、現時点では、法的枠組みを変更せず、当該均衡の考慮に当たっては、同一労働同一賃金ガイドラインの趣旨が考慮されるべきであること等を、同一労働同一賃金ガイドラインで示すことが適当である。
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。