モデル就業規則が令和7年12月版に改訂されています
厚生労働省は、モデル就業規則を改訂し、令和7年12月版を公表しています。
ホームページでは、主な改訂事項として次の3つを挙げています。
○国会または地方議会の議員に立候補するための休暇に関する規程例を追加。(第32条)
○犯罪被害者等の被害回復のための休暇等、その他の特別休暇の紹介を追加。(第5章解説)
○その他、法改正の反映など所要の改正を行っています。
ここでは、3つ目の「その他」のうち主なものを紹介します(下線部分が改訂箇所)。
●「3 就業規則の作成及び変更の手続」
・令和5年7月版
②就業規則の作成及び変更の際に、使用者から意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施する投票、挙手等の方法によって選出された者であること
・令和7年12月版
②就業規則の作成及び変更の際に、使用者から意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施する投票、挙手等の方法によって選出された者であって、使用者の意向に基づき選出されたものでないこと
●「【第7条 労働条件の明示】」
・令和5年7月版
……次の(1)から(6)までの項目(昇給に関する事項を除く)については、原則書面の交付により明示する必要があります(労基法第15条、労基則第5条)。
(1) 労働契約の期間に関する事項
(2) 期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項(期間の定めのある労働契約を更新する場合に限る)
(3) 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
(4) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに交替制により就業させる場合における就業時転換に関する事項
(5) 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(6) 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
・令和7年12月版
……次の(1)から(7)までの項目(昇給に関する事項を除く)については、原則書面の交付により明示する必要があり、また、(2)の項目については、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)を更新する可能性がある場合に、(7)の項目については、有期労働契約の更新のうち、契約期間中に無期転換(詳細は第9章参照)の申込みをすることが可能である場合に、明示する必要があります(労基法第15条、労基則第5条)。
(1) 労働契約の期間に関する事項
(2) 有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項(通算契約期間又は有期労働契約の更新回数に上限の定めがある場合には当該上限を含む。)
(3) 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項(就業の場所及び従事すべき業務の変更の範囲を含む。)
(4) 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに交替制により就業させる場合における就業時転換に関する事項
(5) 賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(6) 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
(7) 無期転換の申込みに関する事項(無期転換後の労働条件を含む)。
●「【第24条 年次有給休暇の時間単位での付与】」
・令和5年7月版
なし
・令和7年12月版
5 労基法第39条第6項の規定による計画的付与や、同条第7項の規定による時季指定での付与として、時間単位年休を与えることは認められません。
●「【第40条 割増賃金】」
・令和5年7月版
2 会社の定める所定労働時間が法定労働時間よりも短い場合、所定労働時間を超えて法定労働時間に達するまでの時間分については、労基法を上回る措置として割増賃金を支払う契約となっていない限り、通常の労働時間の賃金を支払えばよいこととなります。
3 月給制の場合の割増賃金の計算の基礎となる1時間当たりの賃金は、基本給と手当(本規程例の場合、役付手当、技能・資格手当及び精勤手当が該当します。家族手当や通勤手当等割増賃金の算定基礎から除外することができる手当は除きます。)の合計を、1か月における所定労働時間数(ただし、月によって所定労働時間数が異なる場合には、1年間における1か月の平均所定労働時間数)で除して算出します。また、時間給の場合は、時間額が1時間当たりの賃金となります(労基則第19条)。
4 割増賃金の算定基礎から除外することができる賃金には、家族手当や通勤手当のほか、別居手当、子女教育手当、住宅手当、退職金等臨時に支払われた賃金、賞与等1か月を超える期間ごとに支払われる賃金があります(労基法第37条第5項、同法施行規則第21条)が、これらの手当を除外するに当たっては、単に名称によるのでなく、その実質によって判断しなければなりません。
5 労基法第41条第2号に定める「監督又は管理の地位にある者」(以下「管理監督者」といいます。)については、同条によって労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用しないとされている一方、深夜労働に関する規定の適用は排除されていません。このため、時間外労働又は休日労働の割増賃金の支払の問題は生じませんが、深夜労働については割増賃金を支払わなければなりません。
6 月60時間を超える時間外労働については、割増賃金率は5割以上とされています。ただし、中小企業については、令和5年3月31日までの間、引上げが猶予され、月60時間を超える時間外労働の部分についても2割5分以上とされています。適用が猶予される中小企業に該当するか否かについては、「出資金の額又は出資の総額」と「常時使用する労働者の数」で判断されます。社会福祉法人等で資本金や出資金の概念がない場合には、労働者数のみで判断することとなります。
(中略)
なお、1か月60時間の算定には、法定休日に労働した時間数は含まれませんが、法定外の休日に行った労働における時間外労働の時間数は含まれます。
・令和7年12月版
2 月60時間を超える時間外労働については、割増賃金率は5割以上とされています。
なお、1か月60時間の算定には、法定休日に労働した時間数は含まれませんが、法定外の休日に行った労働における時間外労働の時間数は含まれます。
3 月60時間を超える時間外労働に対する割増率を含めた時間外労働、休日労働、深夜労働に対する割増率は、就業規則に盛り込まなければなりません。
特別条項付き三六協定を結ぶ際に、特別の事情のもとに限度時間(1か月45時間、1年360時間(1年単位の変形労働時間制が適用される労働者については1か月42時間、1年320時間))を超えて時間外労働させるに当たり、当該限度時間を超える時間外労働に係る特別の割増率(法定の割増率を超える割増率)を定めた場合には、これについても就業規則に盛り込む必要があります。
(中略。4~6は令和5年7月版の2~4に同じ)
7 管理監督者については、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用しないとされている一方、深夜労働に関する規定の適用は排除されていません。このため、時間外労働又は休日労働の割増賃金の支払の問題は生じませんが、深夜労働については割増賃金を支払わなければなりません。
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。