介護人材確保に向けた処遇改善等に関する議論が行われました
12月12日、第250回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、介護人材確保に向けた処遇改善等に関する議論が行われました。
介護従事者の処遇改善については、「医療・介護等支援パッケージ」として「令和8年度介護報酬改定の時期を待たず、人材流出を防ぐための緊急的対応として、賃上げ・職場環境改善の支援を行う」ために令和7年度補正予算にて1,920億円が計上され、「令和7年12月~令和8年5月の賃上げ相当額を支給」することが示されていますが、同分科会においてはこれに続く処遇改善等に関する議論が行われました。
論点は次の3つとなっています。
1 令和8年度介護報酬改定における処遇改善に係る対応の考え方
2 処遇改善加算の対象範囲
3 処遇改善加算の要件
これらについて、次のような対応案が示されています。
1 令和8年度介護報酬改定における処遇改善に係る対応の考え方
→ 現行の介護職員等処遇改善加算を拡充する
→ 令和8年度改定の施行は、令和8年6月を念頭に検討する
→ 令和9年度改定においては、介護職員等処遇改善加算の上位区分の取得の進展を踏まえた対応など、持続的な賃上げに向けた環境整備の必要性や事業所・施設の事務負担軽減の必要性などの観点から、介護分野の処遇改善に向けた考え方の整理を行う
2 処遇改善加算の対象範囲
→ 介護職員以外の介護従事者を新たに対象とする
→ 次のサービスを新たに介護職員等処遇改善加算の算定対象に加える
・訪問看護および介護予防訪問看護
・訪問リハビリテーションおよび介護予防訪問リハビリテーション
・居宅介護支援および介護予防支援
3 処遇改善加算の要件
→ 現行の処遇改善加算の対象サービスについて、
・現行の介護職員等処遇改善加算の取得要件は維持しつつも、生産性向上や協働化に向けた取組みについて、介護職員等処遇改善加算の要件として新設する
・その際、令和7年度補正予算案に盛り込まれた支援の要件を踏まえ、生産性向上や協働化に向けた取組みについては、さらなる賃上げに向けた環境整備を促すものとして、加算ⅠおよびⅡの加算率に上乗せする要件として設ける
・具体的な要件としては、持続的な賃上げに向けた環境整備に向けた取組みを促すものとする
・令和8年度に介護職員等処遇改善加算を新規取得または上位移行する場合、環境整備や申請事務負担への配慮措置として、生産性向上や協働化に取り組む事業所・施設については、キャリアパス要件Ⅰ~Ⅳおよび職場環境等要件については、令和8年度中の対応の誓約により令和8年度当初からの取得を認める
→ 現行の処遇改善加算の対象外サービスについて、
・介護職員等処遇改善加算の対象を拡大する場合、新たに算定対象となるサービスについては、現行の処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件(キャリアパス要件Ⅰ・Ⅱおよび職場環境等要件)を算定の要件とし、令和8年度中の対応の誓約により令和8年度当初からの取得を認める
・また、環境整備や申請事務負担への配慮措置として、生産性向上や協働化に取り組んでいれば、処遇改善加算Ⅳの取得に準ずる要件の整備を免除し、処遇改善加算の算定を認める
→ 令和9年度改定においては、持続的な賃上げに向けた環境整備の必要性や事業所・施設の事務負担軽減の必要性などの観点から、介護分野の人材確保に向けた処遇改善に資する算定要件について、整理を行う
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