「高額療養費制度の見直しの基本的な考え方(案)」が示されました
12月15日、第8回高額療養費制度の在り方に関する専門委員会が開催され、「高額療養費制度の見直しの基本的な考え方(案)」が示されました。
次の4点に関する議論を取りまとめた内容となっています。
●高齢化の進展や医療の高度化等により増大する医療費への対応
●年齢にかかわらない応能負担に基づく制度の在り方
●セーフティネット機能としての高額療養費制度の機能強化
●その他
それぞれ次のような内容となっています。
●高齢化の進展や医療の高度化等により増大する医療費への対応
→ 近年の医療費高額療養費の伸び等に一定程度対応した形での自己負担限度額(以下、限度額)の見直しを行っていくことの必要性は理解
→ ただし、長期にわたって療養される方の経済的負担の在り方に十分配慮すべき
→ 加えて、療養期間が短期の方を中心に限度額を見直す場合であっても、所得が低い方に対しては適切な配慮を行うことが必要
●年齢にかかわらない応能負担に基づく制度の在り方
→ 所得区分を細分化(住民税非課税区分を除く各所得区分を、例えば3区分に細分化)し、所得区分の変更に応じて限度額ができる限り急増または急減しないようにする制度設計とすることが適当
→ 70歳以上の高齢者のみに設けられている外来特例は、月額上限・年額上限のそれぞれについて、応能負担という視点を踏まえた限度額の見直しを行うとともに、対象年齢の引上げも視野に入れて検討すべき
→ ただし、全体感を持った検討を進め、高齢者の経済的負担に急激な変化が生じないような制度の在り方とすべき
●セーフティネット機能としての高額療養費制度の機能強化
→ 多数回該当の限度額については現行水準を維持するべき
→ 多数回該当以外の限度額を見直した場合、長期療養が必要であるにもかかわらず多数回該当から外れてしまう方が発生するため、新たに患者負担に「年間上限」を設けることも考えられ、高額療養費の限度額に該当しない方も含めて制度の対象とすることも検討すべきであり、患者本人からの申出を前提とした運用で開始することも含めて、実現に向けた制度設計の詳細や課題を早急に整理すべき
●その他
→ 加入する保険者が変わる際に多数回該当のカウントがリセットされる仕組みを、カウントが引き継がれる仕組みの実現に向けた検討を進めていくべき
→ 高額療養費の在り方は、高額薬剤の開発・普及等を背景に増大する医療費負担を全体としてどう考えていくかという大きな視点で、今後とも継続的に検討していくべき課題
さらに、まとめとして次の2点が示されています。
●具体的な金額(限度額)等については、医療保険制度改革全体の議論を踏まえて設定すべき
●施行時期については、来年夏以降、順次施行できるよう、丁寧な周知等を求めたい
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。