「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き(案)」に対するパブリックコメント募集が行われています
2月18日、経済産業省は「AI利活用における民事責任の解釈適用に関する手引き(案)」に対するパブリックコメント募集を開始しました。
これは、企業実務におけるAIの利活用が進むなか、並行して法整備が行われている現状においては、AIに関連する損害等が発生した際には、既存の民事責任ルールに基づく解決が重要になるものと考えられるところ、どのように解釈適用を行うべきか、裁判例の蓄積や統一的な見解がなく、責任の所在が不明瞭であるため、「AI利活用における民事責任の在り方に関する研究会」において検討した結果を取りまとめたものです。
AI利活用の場面についての不法行為法上の論点を中心に、現行法がどのように適用され得るかの方向性を示し、AIの開発・提供・利用に関わる当事者の予測可能性を高め、AI利活用の推進および損害発生時の円滑な解決に資することを目的としたもので、新たなルールを創設するものではありません。主な読者としては、AIの開発・提供・利用に携わる事業者、ならびにAIの利活用に関連する紛争の解決を目指す当事者および弁護士等の幅広い者が想定されています。
次のような構成となっています。
第1章 はじめに
1.1 本書の目的
1.2 本書の射程及び留保事項
1.3 用語の定義
第2章 総論
2.1 本研究会の検討対象
2.2 補助/支援型AI及び依拠/代替型AI
第3章 補助/支援型AIに該当するケース
3.1 想定事例1:配送ルート最適化AI
3.2 想定事例2:弁護士業務支援AI
3.3 想定事例3:画像生成AI
3.4 想定事例4:取引審査AI
第4章 依拠/代替型AIに該当し得るケース
4.1 想定事例5:外観検査AI
4.2 想定事例6:自律走行ロボット(AMR)
4.3 想定事例7:補論―AIエージェント
第5章 立証や手続に関する論点
5.1 立証上の論点
5.2 国際的な紛争に関する手続上の論点
本手引き案では、「各当事者の責任の判断に当たっては、AIが利用される形態に応じた2つの類型に整理して検討することが有益と考えられる」として次のように分け、また、「AIシステムやAIサービスを販売又は提供するAI開発者やAI提供者が求められる注意義務の水準」も、「類型ごとに異なると考えられる」とされています。
●補助/支援型AI
→ AI利用者の判断の補助ないし支援としてのみ用いられ、最終的に人の判断や行動を介在させることが予定されている類型
→ 現状では多くのAIがこの類型に該当
→ 最終的な人の判断や行動の適切性を捉えて、AI利用者が本来払うべき適切な注意を払いながらAIを用いたか否かを評価することが可能であり、従来の過失の判断枠組みを適用することができる
●補助/支援型AI
→ 必ずしもAI利用者の最終的な判断や行動が介在することが求められず、人の判断や行動の全部または一部を代替する前提で提供され、AIの判断に依拠しながら用いることが予定される
→ 最終的に生じた権利侵害や損害との関係で、必ずしもAI利用者の判断や行動が介在せず、これらを捉えた従来の過失判断が困難になるという課題が顕在化する
上記第4章の「4.3 想定事例7:補論―AIエージェント」では、いわゆるAIエージェントを導入し、カスタマーサポートの大部分を自動化しているケースでAIエージェントの回答に誤りがあった場合を例に、「補助/支援型AI」に該当するか「補助/支援型AI」に該当するかにより、利用者である企業や開発者・提供者である企業にどのような責任が生じると考えられるかを解説しています。
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。