キャリアアップ助成金「短時間労働者労働時間延長支援コース」の申請受付が開始されています
7月1日、厚生労働省は、キャリアアップ助成金「短時間労働者労働時間延長支援コース」を新設し、申請受付を開始しました。
本コースはこれまでの短時間労働者労働時間延長コース助成金に代えて新設され、令和7年7月1日以降、労働時間を延長して新たに社会保険の適用となった労働者または社会保険適用後に労働時間を延長した労働者を対象として、事前にキャリアアップ計画書を管轄の都道府県労働局・ハローワークへ提出(現行の「社会保険適用時処遇改善コース」の計画書を提出している場合は提出不要)し、労働時間延長等の取組みの6カ月経過後に支給申請を行います。
特例として、既に現行の社会保険適用時処遇改善コースの各メニューでの取組みを進めている事業主についても、社会保険適用時処遇改善コースの支給申請が出されていない対象者に係る取組みが、短時間労働者労働時間延長支援コースの支給要件を満たす場合は、短時間労働者労働時間延長支援コースへ切り替えての申請が可能(注)です。
(注)ただし、支給申請期間が令和7年7月1日より前(同年6月30日以前)に終了する場合は、切替えはできません。
リーフレット、パンフレット、Q&Aが公開されているほか、支給要領や申請様式も示されています。
Q&Aでは、各コースの関係について、次のような問が収録されています。
問2-3 今回、新たに創設された短時間労働者労働時間延長支援コースと社会保険適用時処遇改善コースの関係はどうなりますか。
(答)
1 現行の社会保険適用時処遇改善コースの各メニュー(①手当等支給メニュー、②労働時間延長メニュー、③併用メニュー)は、令和7年度末までに対象労働者に社会保険の適用を行った場合に助成する措置であり、同年度末までは引き続き実施していきます。その上で、上記の各メニューに加え、新たに創設された短時間労働者労働時間延長支援コースについて、令和7年7月1日から並行して実施していくこととしています。
2 社会保険適用時処遇改善コースの各メニューと短時間労働者労働時間延長支援コースのいずれを選択するかについては、対象となる労働者の働き方への希望を踏まえ、支援を受けようとする事業主において選択していただく形となります。
問2-7 短時間労働者労働時間延長支援コースは、時限措置となるのでしょうか。
(答)
1 短時間労働者労働時間延長支援コースについては、当分の間の暫定措置となりますが、その終期については現時点では決まっておりません。
問2-8 現行の社会保険適用時処遇改善コースは、令和8年度以降も継続するのでしょうか。
(答)
1 現行の社会保険適用時処遇改善コースの各メニュー(①手当等支給メニュー、②労働時間延長メニュー、③併用メニュー)については、令和7年度(2025年度)末で終了します。
2 社会保険適用時処遇改善コースについては、令和7年度末までに対象労働者に社会保険の適用を行った場合を支援対象としており、令和8年度以降に社会保険の適用を行った場合は対象となりません。令和8年度以降は、短時間労働者労働時間延長支援コースの活用をお願いいたします。
問3-3 既に社会保険適用時処遇改善コースの支給申請をしてしまった場合でも、短時間労働者労働時間延長支援コースに切り替えて申請できますか。
(答)
1 既に社会保険適用時処遇改善コース(併用メニュー(3期目)又は労働時間延長メニュー)を支給申請済みの場合において、短時間労働者労働時間延長支援コースに切り替えて申請するときは、原則、社会保険適用時処遇改善コースの支給申請を取り下げて、再度申請し直していただく必要があります。
2 ただし、社会保険適用時処遇改善コースの支給申請期間の終期が令和7年7月1日より後であり、既に行った申請が同時に短時間労働者労働時間延長支援コースの支給要件を満たしており、かつ、まだ支給決定がされていない場合に限り、都道府県労働局又はハローワークへの申出及び短時間労働者労働時間延長支援コースの申請書等への差替えを行うことにより、特例的に切り替えての申請が可能な場合もあります。
また本コースでは、小規模企業の場合、中小企業に比べてより負担感が大きいことから、助成額を高めに設定して手厚い支援をすることとされていますが、小規模企業からの申請を想定して、次のような問も収録されています。
問5-1 労働者が10人未満の事業所の場合、就業規則の作成義務はありませんが、それでも就業規則を作成し、必要な規定を整備しなければならないのでしょうか。
(答)
1 労働者が10人未満の事業所の場合、就業規則の作成義務はありませんが、本助成金においては、「労働者が確認できる客観的な規定に基づいて」取組を実施することが必要です。
そのため、2年目の取組として、就業規則等への規定が必要な、「昇給、賞与又は退職金制度のいずれかの制度の適用」を実施する場合には、企業規模に関わらず就業規則又は労働協約を作成し、必要な規定を整備した上で労働者に明示し、その規定に基づいて取組を実施する必要があります。
ただし、10人未満の事業所が就業規則を作成する場合には、事業所内周知は取組日までに実施の上、①支給申請前に所轄の労働基準監督署長に届け出るか、②就業規則の周知実施について事業主と労働組合等の労働者代表者の氏名等を記載した申立書を添付することが必要です。
なお、労働者の雇用形態・勤務時間等に関係なく、常時10人以上の労働者を使用する場合は就業規則の作成・届出義務が生じます。「常時10人以上」の中には、パート・アルバイトや、1時間から2時間程度の勤務者も含まれます。
問5-2 社会保険の任意適用申請を行っていない未適用の事業所ですが、本コースの実施に当たって、社会保険への適用・加入をしなければならないのでしょうか。
(答)
1 本コースの支給を受けるに当たっては、対象となる労働者を社会保険に適用させる必要があることから、未適用事業所の場合、社会保険の任意適用を行ったうえで、社会保険の適用事業所となり、加入させる取組が必要です。
問5-3 社会保険の適用からすぐに取組を開始することは難しいのですが、猶予措置はありますか。
(答)
1 労使間での話合いを含め準備期間を要することが考えられるため、新たに社会保険の適用を受ける日の前日から起算して1カ月前の日から3カ月が経過するまでの間に取組を行っていただくことで助成措置の対象とすることとしています。
2 なお、支給申請期間は週所定労働時間の延長した日を基準として、6カ月目の賃金を支給した日の翌日から起算して 2カ月以内となります。
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。