高度プロフェッショナル制度に関する解釈通達が改正されています
5月15日、厚生労働省のデータベースに、「「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律による改正後の労働基準法関係の解釈について」の一部改正について」(令和元年7月12日基発0712第2号雇均発0712第2号、改正令和8年4月28日基発0428第11号)が掲載されました。
これは、高度プロフェッショナル制度に関する解釈通達を改正するもので、本制度の状況は、厚生労働省の資料によれば下記となっています(令和7年3月末時点)。
●決議事業場数および対象労働者数
・金融商品の開発の業務:1事業場、1人
・ファンドマネージャー、トレーダー、ディーラーの業務:6事業場、70人
・証券アナリストの業務:3事業場、25人
・コンサルタントの業務:26事業場、1,284人
・新たな技術、商品又は役務の研究開発の業務:6事業場、10人
・計:36事業場(34社)、1,390人
改正では、本制度に関する53のQ&Aが追加されており、例えば次のような問が収録されています。
<年収要件に算入される手当>
問20 法第41条の2第1項第2号ロの「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金」には、具体的にどのような手当が含まれるのか。
答20 名称の如何にかかわらず、労働契約において「月〇万円」など一定の具体的な額をもって支払うことが定められている手当は含まれるが、「1か月の定期券代相当の額」など一定の具体的な額や最低保障額が定められておらず、労働契約締結後の事情の変化等により支給額が変動し得る手当は含まれない。
<休憩時間を把握していない場合>
問24 健康管理時間について、労使委員会で休憩時間を除くことを決議していたが、実際には始業時刻と終業時刻しか把握しておらず、休憩時間を把握していなかった場合は、決議に違反することとなるため、高度プロフェッショナル制度の法律上の効果は生じないこととなるか。
答24 健康管理時間が把握されていないこととなり、高度プロフェッショナル制度の法律上の効果は生じない。
なお、休憩時間を除くことを決議していないにもかかわらず、休憩時間を除いた時間を健康管理時間としていた場合にも、健康管理時間の把握が適切になされているとはいえない。
<4週間を通じ4日以上の休日を確保できなかった場合>
問27 指針第3の4(1)ロにおいて、「1年間を通じ104日以上の休日について、対象労働者に与えることができないことが確定した時点から、高度プロフェッショナル制度の法律上の効果は生じない。」とされているが、4週間を通じ4日以上の休日を確保できなかった場合も同じか。
答27 4週間を通じ4日以上の休日を確保できなかった場合は、確保できなくなることが確定した時点から高度プロフェッショナル制度の法律上の効果が生じないこととなる。
なお、4週間を通じ4日以上の休日を確保できなかった場合については、当該4週間の期間中には、再度、本人同意を得ることはできない。
<繁忙期のみに制度を適用することの可否>
問47 毎年、1年間を通じて繁忙期の数か月間についてのみ、労働者に高度プロフェッショナル制度を適用して、対象業務に就かせることは可能か。
答47 対象業務は、働く時間帯の選択や時間配分について自らが決定できる広範な裁量が労働者に認められている業務でなければならず、当該特定の繁忙期が生じる業務がそもそも対象業務となりうるかについては、業務の実情に応じて慎重な判断が必要である。仮に、法令の要件を満たしたとしても、設問のような事例は、望ましくない。
<派遣労働者への適用>
問49 派遣労働者に高度プロフェッショナル制度を適用できるか。
答49 労働者派遣法第44条第5項において、法第41条の2の規定について、派遣先の使用者が対象労働者を対象業務に就かせた場合も含めて適用する旨の規定は設けておらず、派遣労働者に高度プロフェッショナル制度を適用することはできない。
<母性保護規定との関係>
問53 法の母性保護関係の規定について、対象労働者はどのように取り扱うのか。
答53 法第66条第1項(変形労働時間制の適用制限)及び第2項(時間外労働及び休日労働の制限)並びに第67条(育児時間)の規定は適用されないが、それ以外の規定については適用される。
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。