地域別最低賃金に関する課題や対応方針が示されました
6月23日、第73回中央最低賃金審議会が開催され、令和7年度の結果を踏まえた地域別最低賃金に関する課題や対応方針が示されました。
令和7年度の地域別最低賃金については、過去最大66円の引上げとなった一方、発効日について地域ごとに発効日に大きなばらつきが生じるなどがあったことから、次のような課題と対応方針が示されました。
【地域の実態と乖離した引上げ額について】
●課題
→ 最低賃金法等により法定3要素のデータに基づき審議を行うこととされている一方、令和7年度の地方最低賃金審議会では、過度な競争意識や最下位回避の意識の中で、高い引上げ額となったのではないかとの指摘があった
→ また、全員協議会の議論の中では、目安額に大幅な上乗せをする地域が多数生じる状況が今後も続くのであれば、目安制度の在り方自体を議論する必要があるのではないか、との意見もあった一方、目安を超える最低賃金の引上げが行われた場合の特別な対応として、補助金等による政府の支援が示されたことなど、令和7年度の特殊事情があったのではないか、との意見も出された
●対応方針
→ 今後も、法定3要素のデータに基づき労使で丁寧に議論を積み重ねて目安を導くという基本的な考え方に基づいて、中央および地方最低賃金審議会で審議を行うべき
→ とりわけ、近隣県等との金額のみの比較や最下位を避けたいという動機から地域の実態と乖離した引上げ額を導き出すことは適切でなく、法定3要素のデータを総合的に考慮して地域別最低賃金額を決定すべき
→ 目安額に大幅な上乗せをするのであれば、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等で明らかにすべき
→ また、特に前年度、例年以上に高い引上げを行った場合、翌年度の審議では、その影響等を公労使委員間で確認した上で、当該年度の審議を行うべき
→ 地方最低賃金審議会においては、可能な限り最新のデータを用いて法定3要素それぞれのデータを確認した上で、他地域との比較を行う上では、当該地域の日本全体での位置付けを総合的に考慮すべき
→ 厚生労働省は、当該年度の中央最低賃金審議会の審議で用いたデータのうち、都道府県別データがないものについて、利用可能な資料やデータの参考事例等の丁寧な情報提供に努める
【発効日について】
●課題
→ 金額改正の発効日について、最低賃金法では、「公示の日から起算して30日を経過した日(公示の日から起算して30日を経過した日後の日であって当該決定において別に定める日があるときは、その日)から」と規定
→ 令和7年度は指定日発効が急増し、過半数の27府県で11月以降の発効となったほか、10月1日発効の栃木県から令和8年3月31日発効の秋田県まで発効日に大きなばらつきが生じた
→ 発効日が令和8年1月以降となった県では、地方最低賃金審議会において議論が行われた結果、発効日が大幅に後ろ倒しされることとなった一方で、地域間の発効日の極端なばらつきは、一時的に地域間格差が拡大することや、労使双方の予見可能性を損なうおそれがあることなどの課題がある
●対応方針
→ 指定日発効(曜日の都合等により1日~数日程度ずらすようなケースは除く)とする場合は、その必要性について広く理解を得られるかなどの観点から、各地方最低賃金審議会の公労使委員間で、十分に議論して決定すること
→ 発効日に関する主な考慮要素として、全員協議会で示された課題、労働者の生活や企業経営に与える影響について、公労使委員間で十分に議論した上で、発効日について判断すること。特に企業の支払いのための準備期間を主な理由として指定日発効とする場合、具体的な期間について、公労使委員間で十分に議論を行うこと。また、指定日発効とする場合には、その判断理由を地方最低賃金審議会の公益委員見解等で、できる限り明らかに示した上で決定すべきこと
→ 指定日発効とした地方最低賃金審議会においては、その影響等を把握した上で、翌年度の審議を行うべきであること
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