「技術流出対策ガイダンス第2版」が公表されています
4月27日、経済産業省は、「技術流出対策ガイダンス第2版」を公表しました。
これは、企業の技術流出リスクに対する有効な対策を提示するために策定されたもので、第1版は昨年5月に公表され、「生産拠点の海外拠点に伴う技術流出」、「人を通じた技術流出」への対応について解説されています。
第2版では、企業における国内外との「共同研究」や調達時の「すり合わせ」に伴う技術流出対策に関するニーズを踏まえ、これらの内容が新設されているほか、「経済安全保障経営ガイドライン」(2026年1月公表)を踏まえ、「各章で共通する技術流出対策」、 「人を通じた技術流出への対策」等についても内容の充実が図られています。あわせて、付録資料として「技術流出対策ガイダンスチェックリスト」も公表されています。
ここでは、「人を通じた技術流出への対策」の内容の一部を紹介します。
次のような構成となっています。
第3章 人を通じた技術流出への対策
0 技術流出事例
1 技術流出を防ぐために未然に取り組むべき事項
(1)ルール面での対応
(2)人事面での対応
(3)システム面での対応
(4)オペレーション面での対応
2 技術流出した場合に取り組むべき事項
3 技術者の流出に対して取り組むべき事項
例えば、上記1(2)では、次のような対応策の例が示されています。
【副業等を通じた情報流出の防止】
●副業・兼業ルールの明確化・届出手続の徹底
→ 労働時間以外の時間をどう利用するかは原則として従業員の自由だが、副業・兼業が、会社の秘密漏えいや、競業による利益侵害、信用毀損等に繋がるおそれのある場合、制限する必要性は高い
→ 従業員の副業・兼業からの技術流出を防止するため、労使でも話し合い、就業規則等において、副業・兼業する場合の事前届出を義務付ける
→ 副業・兼業の可否については、必要に応じて上長も関与し、以下の点を考慮して検討する
・当該従業員が重要な技術情報に触れる職務に従事しているか、過去に従事していたか
・今後、自社の重要な技術情報の取扱いが発生するか
・副業・兼業と自社事業の間に競合関係・取引関係その他の技術流出の動機・機会に繋がりうる関係がないか
→ 人事異動を検討する際は、当該役職員の副業・兼業の有無や内容も考慮する。異動により競業または情報漏えいのおそれが生じる場合、業務範囲の見直し等を含め、慎重に判断する
●スポットコンサル(注)のチェック
→ スポットコンサル会社のプラットフォームに自社従業員が登録していないか定期的な見回り等を通じて確認する
→ 副業・兼業ルールに違反する場合や、情報漏えいのおそれがある場合は、本人に対する指導を行う。また、就業規則違反の事例が散見される場合は、スポットコンサル会社にも協力を要請する
(注)単発・短期のコンサルティングのこと。企業の求めによってコンサルタントを紹介し、コンサルタントには企業からの案件の紹介や報酬の支払いを行うプラットフォーム等を介して行われる。
【退職時のアクセス制限】
●重要情報へのアクセスを制限する
→ 退職を申告した役職員の業務を、引継ぎ等のために必要最低限の範囲に限定し、データアクセス権限やセキュリティエリアへの入室権限を解除する
●退職予定者について、アクセスログ取得・分析を行う
→ 直近でアクセスした技術情報の内容、外部へのメール送信の履歴等を必要に応じて数カ月遡り、警戒度を高めてチェックする。情報流出の予兆があれば、退職前にヒアリング等を実施する
●貸与物品等を確実に返却させる
→ 退職予定日までに、PC等の会社の貸与物品や、図面・マニュアル等の文書を返却させる
●退職後の秘密保持義務と違反した場合の対応に関する説明を行う
→ 退職前に面談し、就業規則や在職中の誓約書等により退職後の秘密保持義務を課していることを前提に、注意喚起のため、改めて技術情報の重要性や秘密保持義務の内容、違反した場合に法的措置を講じる旨を明確に説明する
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。