個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しに関する改正方針が示されました
1月9日、個人情報保護委員会は、「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しの制度改正方針」を公表しました。
これは、政府の「データ利活用制度の在り方に関する基本方針(令和7年6月13日閣議決定)」等において同委員会が提案していた「個人情報保護法の改正案について、早期に結論を得て提出することを目指す」こととされたのを踏まえ、取りまとめられたものです。
大きく分けて次の4つの方針が示されています。
●適正なデータ利活用の推進
●リスクに適切に対応した規律
●不適正利用等防止
●規律遵守の実効性確保のための規律
具体的な内容は、下記のとおりです。
【適正なデータ利活用の推進】
●個人データ等の第三者提供および公開されている要配慮個人情報の取得
→ 統計情報等の作成にのみ利用される場合は本人同意を不要とする
●目的外利用、要配慮個人情報取得および第三者提供に関する規制
→ 取得の状況からみて本人の意思に反しないため本人の権利利益を害しないことが明らかな取扱いである場合は本人同意を不要とする
→ 生命等の保護または公衆衛生の向上等のために取り扱う場合における同意取得困難性要件を緩和する
→ 学術研究例外の対象である「学術研究機関等」に、医療の提供を目的とする機関または団体が含まれることを明示する
【リスクに適切に対応した規律】
●16歳未満の者が本人である場合
→ 同意取得や通知等について当該本人の法定代理人を対象とすることを明文化し、当該本人の保有個人データの利用停止等請求の要件を緩和するとともに、未成年者の個人情報等の取扱い等について、本人の最善の利益を優先して考慮すべき旨の責務規定を設ける
●顔特徴データ等
→ 取扱いに関する一定の事項の周知を義務化し、利用停止等請求の要件を緩和するとともに、オプトアウト制度に基づく第三者提供を禁止する
●データ処理等の委託を受けた事業者
→ 委託された個人データ等の適正な取扱いに係る義務の見直しを行う
●漏えい等発生時
→ 本人の権利利益の保護に欠けるおそれが少ない場合は、本人への通知義務を緩和する
【不適正利用等防止】
→ 個人情報ではないが、特定の個人に対する働きかけが可能となる情報について、不適正利用および不正取得を禁止する
→ 本人の求めにより提供を停止すること等を条件に同意なく第三者提供を可能とする制度(オプトアウト制度)について、提供先の身元および利用目的の確認を義務化する
【規律遵守の実効性確保のための規律】
→ 速やかに違反行為の是正を求めることができるよう命令の要件を見直し、さらに、本人に対する違反行為に係る事実の通知または公表等の本人の権利利益の保護のために必要な措置をとるよう勧告・命令することも可能とする
→ 違反行為を補助等する第三者に対して当該違反行為の中止のために必要な措置等をとるよう要請する際の根拠規定を設ける
→ 個人情報データベース等の不正提供等に係る罰則について加害目的の提供行為も処罰対象とするとともに法定刑を引き上げ、また、詐欺行為等により個人情報を不正に取得する行為に対する罰則を設ける
→ 経済的誘因のある、大量の個人情報の取扱いによる悪質な違反行為を実効的に抑止するため、重大な違反行為により個人の権利利益が侵害された場合等について、当該違反行為によって得られた財産的利益等に相当する額の課徴金の納付を命ずることとする
上記のうち、「データ処理等の委託を受けた事業者」に関しては、委託の実態に合わせた規律を整備するとして、見直しに関する考え方が示されています。
●現行制度と課題
・個人データ等の取扱いについて、実質的に第三者に依存するケースが拡大
・さらに、委託元による委託先の監督等が十分に機能せず、委託先が委託された業務の範囲を超えて独自に個人データ等を利用する事案も発生
・一方で、個人データ等の取扱いの委託の中には、委託先自らは取扱いの方法を決定しないケースも存在
→ 委託の実態に合わせた規律を整備する
●制度的考え方
・取扱いを委託された個人データ等を当該委託を受けた業務の遂行に必要な範囲を超えて取り扱ってはならない旨の義務を委託先に明文規定により課す
・ただし、法令に基づく場合および人命の救助等緊急の必要がある場合には、例外的に委託先が独自の判断で利用できることとする
・他方、委託先自らは取扱いの方法を決定しないケース(注1)においては、委託契約において、取扱いの方法の全部について合意し、かつ委託先における取扱いの状況を委託元が把握するために必要な措置等(注2)について合意した場合は、当該委託先に対しては、法4章の各義務規定の適用を原則として免除する
(注1)委託先が委託元から指示された方法で機械的に個人データ等を取り扱うのみの場合(委託先がデータ入力作業を委託され、委託元の指示に従って機械的に入力作業を行う場合等)
(注2)漏えい等が生じたことを知ったときに委託先が委託元に対して速やかにその旨を報告すること等を想定しているが、その他の具体的な内容は、制度が円滑に運用されるよう、改正の趣旨を踏まえつつ、委員会規則等で定めることを想定。
詳細は、下記リンク先にてご確認ください。